短編小説みんなの答え:3

夏の魔法なんて。

数学の教師の長々とした話を流しながら、ふと窓を眺める。 冷房が入っているにも関わらず、全開にされた窓の奥には真っ青なキャンパスのような空に所々白い雲が自由に浮かんでいる。 ぷかぷかと風に流され浮かぶ雲は自分までどこか自由になれる気がする。 その雲の隙間から照りつける太陽は目を眩ませるほど眩しくて、自分には到底届かないところにいる。 夏は好きだ。 私の好きなアイスがある。 蝉のなく声だって夏を感じさせるし、熱いということさえ生きていると実感できる。 目線を反らせば、勝手に目で追いかけるのは彼の姿。 「好きだなぁ。」 ぽつりと溢れ出た言葉は騒音に揉まれ消えていった。 横でキャーキャーとうるさい声から察するに、もう授業は終わったのだろう。 いつの間にか彼はその声の中心にいた。 何故か空間が静まり返り、不思議に思うと、その瞬間私の大好きな彼の優しい声が聞こえた。 「好きです!ずっと前から。付き合ってください!」 そのあとの声は聞こえなかった。 ただ、嬉しそうに笑う女の子の笑みだけが見えて、そのとき「あ、失恋したんだ」と気づいた。 何もかも、分かってた筈なのにね。 彼は私の事なんて見てないことなんて。 冷たい感覚が頬を伝い、そのときに泣いていることを自覚した。 拭っても拭っても止まらない涙は冷たくてやっぱり生温くてしょっぱかった。 顔を伏せ、誰にも分からないよう。 誰にも気づかれないよう。 そっと声をたてずに泣いた。 どこかで聞いた夏の魔法。 恋が叶うとかなんとか。 それを言うならクリスマスだろ、と思ったこともあったけれど、最後の最後までそれを信じていたのだ。 なんで、好きになっちゃったんだろ。 でも、 「やっぱり、好きだなぁ。」 ぽつりと溢れ出た言葉は、またもや騒音に揉まれ消えていった。 やっぱり夏は嫌いだ。 好きなアイスがすぐ溶ける。 蝉の声は騒がしく、熱くて吹き出す汗は鬱陶しい。 夏の魔法なんて嘘だし。 何より、貴方に伝える前の「すき」が消されてしまうから。 蝉のうるさい忙しない声で。 誰かの騒がしい騒音で。 いや、素直になれない私の心で。 END 皆さん、こんにちは!しゅがーです!! 見てくださってありがとうございました!!

みんなの答え

辛口の答え

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素敵~!!

とっても素敵な作品だと思います!!


素敵!

どこに夏である必要性があるのか、私には理解に苦しむね


素敵!!

主人公の心情が細かく素晴らしく書いてあって とてもすばらしい作品ですね! 表現がとても好きです!


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