美しく儚い蝶の秘密
「ふぁぁーあ……」 朝5時。部活のために早起きをした私こと、花村ミカコはベットの上で思いっきり伸びをした。ミカコは漢字で書くと蝶佳子。不思議でしょ?普通は美佳子とか、美香子って書くよね。だけど、蝶佳子。ちゃんと理由はあるよ。お母さん曰く、蝶は綺麗だから蝶のように美しい子になってほしいからなんだって。いわゆる当て字。確かに蝶は綺麗だ。けれど、私の目にはただの綺麗な虫には見えない。 ひらり、ひらり 「おいで、おいで。」 着替えていると綺麗な蝶がひらりひらりとやって来た。蝶の方向に伸ばした私の手に蝶が着地する。 「おまえも、か。」 この子も故蝶(こちょう)か。普通、こちょうは胡蝶とかく。けれど、この故蝶は普通の胡蝶とは違う。まあ、胡蝶を普通の蝶と言っていいかもわからないけれど。 この故蝶の字は故人の故に蝶だよね。つまり、故人の蝶ってこと。実は故蝶は魂の成れの果てなんだ。だから普通の人には見えない。けど、私には見える。なぜか分からないけれどこれが超能力ってやつかな? 幼い頃、初めて故蝶が私の指先に止まったことは今でも忘れられない。その故蝶は私のことを「蝶守り」(ちょうまもり)と呼んでいたっけ。その故蝶が私の知っている故蝶についての知識を全て教えてくれたの。だからまだ知らないことがあるのかもしれないけれど故蝶は私にとってなんとも思わないくらい普通の事なんだ。 「悲しいね。ねぇ、故蝶?」 故蝶は何も答えない。普通の故蝶は喋ることもできないらしい。私に色々な事を教えてくれた故蝶は特別みたい。それは私が10歳ごろ知ったこと。 故蝶は転生、つまり生まれ変わりできなかった者の最後なんだ。だから故蝶は数時間もたてば自然に消滅してしまう。転生できなかった者の多くが現世で人を殺めてしまったり、罠にかけたり、自殺を犯した人たちだ。勿論動物や人間関係なしに故蝶になるけれど圧倒的に故蝶になるのは人間が多い。それくらい人間が残酷な生物なのだと思い知らされる。 「ねぇ、故蝶。おまえはどうして故蝶になったの?ねぇ?」 故蝶は私を恨みがましく見つめている。故蝶になった人間は皆、心から後悔しているかな。でも今からじゃ遅い。もう消滅へのカウントダウンが始まっているのだ。 「じゃあね、故蝶。私は学校に行かなくちゃ。」 ひらりと故蝶が飛び立った。 さて、私も部活に行かなくては。 「行ってきまーす!」 故蝶がこの世界から居なくなりますように。そう、願わない日はなかった。
みんなの答え
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凄い好き
最近短編小説読むのハマってるんだけど この作品凄く好き!なんていうんだろう、私自身セリフが多いのあんま好きじゃないからかも知れないけど 描写も丁寧で蝶って雰囲気を表現してて兎に角好き!頑張ってください!
すごい!
すっごく面白かったです! 年下から言うのもなんですけど、作家、向いていると思います!友達に読ませてあげたい!!! ほんっとすごいです!神! すごい×1000000000000…! 尊敬します!