短編小説みんなの答え:3

私の恋は、

「別れて、くれない?」 「……は、」 彼の口からそう告げられたのは季節も真っ白に染まる冬の頃。 受験生の12月だった。 「え…っ、え?なん、で?」 「…他に、好きな人できた。」 __ズキン。 「ほんと、自分勝手だよな。ごめん。だけど、黙ったままも悪いと思ったから、」 別れる際でさえ、こうやって気遣ってくれるところ。 何事も真っ直ぐで、正直なところ。 それに私は惹かれたんだ。 「そっ、か。うん、分かった。」 「ほんとごめんね。」 「んーん、謝ることないよ。今まで、ありがと。楽しかった。」 「…俺も。ありがとうな。」 そう言うと、私は彼の腕の中に包まれた。 「…最後に。何もしてやれなくて、ごめん。」 「…ばぁか。」 そんな事したら、そんな事されたら……、 ………諦められないじゃん…。 「じゃ、また明日。風邪、ひくなよ」 何で、そんなに優しくするの。 好きな人、私以外にできたんじゃないの。 分かってた。そう言われること。 何となく、勘付いてたの。 だけど、せめて、受験とかを理由に振ってほしかった。 今まで嬉しく感じていた彼に優しさは、初めて私の心に深い傷をつけた。 だけどそれは、誰も悪くなくて。 人の心は止まることなく変化する。 つまり、好きな人が変わることはおかしい事じゃない。 むしろ、当たり前のこと。 「……っ」 どうして、世の中はこんなに残酷なんだろう。 どうして、色んな生き物が生活するこの地球で、人間として生まれてきてしまったんだろう。 人間じゃなければ、こんなに苦しまなくて済んだかもしれない。 「さ、帰ろ。」 空には彼女の感情を表すかのように冷たく、真っ白な雪が降っていた。

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