とけていく。【短編小説】
溶けて、融けて、とけていく___。 蝉の迷惑な大合唱、じわじわと殺しにかかってくる太陽。 真夏は嫌いだ。一番過ごしにくい気がする。 食べ物は腐るわ、道には蝉の亡骸やら抜け殻やら…おまけに来週のテスト。 __あぁ、クソッ。 なにもかも溶けてしまえばいいのに。 この真夏の暑さで、チーズみたいにドロドロと…。 束縛される部活になんて、入っていない。 練習に励む同級生達を尻目に、門を出ていく。 いつものように、道草して時間を潰す。 __家帰ったら、テスト勉強なんだ。なら外にいる方が何兆倍もいい。 「…だるい」 思わず呟きが声に出てしまった。 いっそ、暑さで何もかもドロドロに…。 ベチャリ。 「…?」 頭に何かが落ちてきた。拭ってみると、オレンジ色のペンキのようなものだった。 文句でもいってやろうと上をみると…。 「…は?」 黒かった。 空は一部が黒かった。すっかりオレンジ色に染まっているはずなのに。 手についたオレンジ色と、空の色を見比べる。 __全く一緒の色だった。同じオレンジ色…。 ベチャリ、ボチャリ。 空からどんどん色が落ちていく。落ちる、というより『溶けている』。まるでアイスのように。 ベチャリ、ボチャリ。 足元が急に柔らかくなった。 辺りをみると、車も、建物も、ドロドロに溶けていく。 __己の腕も、溶けていた。 「待って」 なにもかも、溶けていた。 でもそれは、己が願ったはずの___。 ドロリ。
みんなの答え
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すごい。
すごい。 短編小説のカテゴリに小論文を送ったボクとは大違いだ。
溶け……
最初の『とけ』を漢字等変えて繰り返しているの、とても良いと思います。 空のオレンジ色が溶けて落ちてくる、っていう表現が、なんかもうめちゃくちゃ好きです。 途中までまあまあ日常ぽかったのに、非日常に変わっていくのも好きです。 好き。 他にも『亡骸・抜け殻』とか最後の『ドロリ』とかとか…… ジェノさんの小説、いつも凄いなと読ませてもらってます。 全体的に作風(?)が好みです。 これからも楽しみにしてます……!
発想が…
発想が素晴らしいですね… 自分だったらこんなの絶対思い浮かびません…。
怖い!でも上手い!
なるほど~。 安昜にお願い事をしたらいけませんね! 最後の「ドロリ」が効いてます! ちなみに、自分は地球もうちゅうも無くなって、無になると、 真っ白になると思ってますよ。