鼓動
私、天野夏芽(あまのなつめ)。小学5年生。動物が大好き。でも、私の親は動物を飼うのを許してくれない。理由は分からないけど、多分……動物が嫌いっていうシンプルな理由だと思う。私はめげずに毎日アピールをしている。この何気ない毎日が一気に好転していくのだ。 ・・・ 私は通学路を通って普通に下校していた。その時、小さな小さな声が聞こえた。 「にゃ……にゃぁ……」 子猫!?声からして弱っている!急いで探さなきゃ! 「どこ?どこ……っ!?」 私は必死で探した。 「どこ……?痛っ!!」 近くにあった枝で人差し指を切ってしまった。そんなにひどくはないけどすごく痛い。もちろん血も出ている。ばんそうこうもない。帰ったら………帰ったらばんそうこうはある。でも……それじゃ子猫は助けられない。だけど、子猫を助けられたとしても私が帰るわけがない。あっそうだ!猫を飼っている親友の彩音(あやね)なら………! 「にゃ……にゃぁ……」 そんなこと考えている場合じゃない!早くしないと!だんだん声に近づいていく。 「いたっ!!」 土で真っ白のはずの毛は汚れ、その小さな体は小刻みに震えている。私は家に子猫を連れ帰って(今はお母さんもお父さんも仕事でいない)、お風呂場で桶にお湯をためて優しくなでるように洗った。少しずつ震えはおさまって、暖かくなっていった。私は子猫の体をお気に入りの猫のキャラクターのバスタオルで雪のような真っ白な体をまた優しくふいた。子猫は私を見上げて嬉しそうに、 「にゃあ………にゃあ!」 と元気に鳴いた。さっきまでは『鳴いた』じゃなくて『泣いた』感じだったけど。私が抱きしめると心臓の音が聞こえた。 『とく……とく……』 私は子猫が体を冷やさないようにバスタオルで巻いて、家を飛び出した。私のような素人がヘマをして子猫の命を危険にさらすわけにはいかない。急いで彩音の家に向かった。 『ピーンポーン』 私が肩で息をしながらチャイムを鳴らすと、すぐに彩音のお母さんののんびりした声がした。 『はぁ~い……あらっ?なっちゃん(彩音のお母さんから私は『なっちゃん』と呼ばれている)じゃない!?寒いから早く上がって上がって!』 私はお言葉に甘えて上がらせてもらい、こたつに子猫と一緒に入らせてもらった。 「ごめんねぇ~今彩音はスイミングに行ってるのよ~もうすぐ帰った来るんだけど………待たせて本っ当にごめんね!」 そう言って暖かいお茶を出してくれた。私は家庭科で習った『礼儀とは?』のページの中の『人の家にお邪魔させてもらったとき』を思い出しながら言った。 「お構いなく……っていうか私こそ急に押しかけちゃってごめんなさい。また出直しま……」 私がこたつから出ようとすると、 「たっだいま~疲れたよぉ~寒いよぉ~ママぁ~………ってええええ!?なんで夏芽がいるの!?」 さっきのお母さんに甘えようとしていた彩音を見て私は「クスッ」と笑ってしまった。 ・・・ 「なるほどねぇ~その子猫ちゃんの品種は………アメリカンショートヘア……アメショーだね」 私は子猫の体をバスタオルでくるみ直しながらつぶやいた。 「私の家では飼えないし…彩音に任せようかな…って思ってさ」 「ダメ。それはダメ」 彩音は即答した。 「拾ったのは夏芽だし、その子なついちゃってるし、夏芽が大好きなんだよ」 私は黙って家に帰った。1人と1匹で。 ・・・ 子猫の話をすると、お父さんとお母さんはうつむいて言った。 「あのね、夏芽。お母さんが生き物を飼うのに反対するのはね、私も生き物を飼ってたからよ」 え?どゆこと? 「お母さんはハムスターを飼っていたの。でも私のお世話が……っ…私のお世話が下手だから1週間で死んじゃったの」 私は自信を持って言った。 「私、猫のこといっぱい勉強してきたから、大丈夫!」
みんなの答え
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ちゃんとお世話しよう
私も猫を飼ってます。今私の隣にいる(笑) でも私はあんまりお世話してなくて、母に任せっきりでした。この小説を読んで、猫のためにも母のためにも、私もちゃんとお世話しなきゃなって改めて思いました。後でトイレの掃除してきます( ̄^ ̄*) それぞれのキャラクターがちゃんとたっていて、この人たちがいたからこそこの猫は幸せになれるのかなと思いました。 ほのぼのしている中に少し感動できる文章もあって、とても素敵なお話でした!ありがとうございました♪
夏芽ちゃんえらい!
家庭科で習ったことをいかせるなんてすごい!私も猫ちゃん飼いたいな~!ところで夏芽ちゃんは子猫を飼えたのかな……?