雨雲が広がる神社
「ごほっ…ハァハァ…」 「大丈夫?いける?」 俺はそう言いながら彼女の手をつかむ 「うん。いけるよ!」 何にも大丈夫じゃないくせに彼女は青白い顔をして汗をかきながら俺に近づくために細い足で階段を上る。 「もうすぐつくからね」 俺はそんな彼女に気づかぬふりをして手を引き歩き出す。 今、俺たちは初詣をするために神社の階段をあがっている。 これを言ったら怒られるかもしれないが彼女は俺が病院からつれだした。 少し昔話になるが、俺が足を骨折して病院にいたときに初めて会った彼女はもともと心臓が悪くて入院していた。 よく病院内で会うことがあったので仲良くなったのだがその時も倒れたり息が荒くなったりするのはよくあることだった。その度ご両親がかけつけていた。 俺の両親とは大違いだなと思い見ていたが、彼女はもう余命がないらしい。 それを聞いたとき心のどこかで心配されてる彼女が羨ましいと思っていたことを悔やんだ。 それを聞いた次の日、彼女は俺に思い出のアルバムを開くかのように話した。 「昔、家族で初詣に行ったんだけど、すごく高いところで、でもすごく綺麗なとこだったの。もうすこし私に時間があればいきたかったな…」 それを聞いた俺は彼女がもう、神社にすらいくこともできないほど余命が短いことを改めて感じ、心に穴があいたような気分になった。 「俺でいいならつれていくよ」 今でも恥ずかしさと気持ち悪さで忘れられないこの言葉。なにかっこつけてんだよって思うよな、、 「ついたー」 俺は大きく手を上に伸ばしあたり一面に広がる都会の真上に立ったような気分になる。空は曇っているがそれがまたすごく心地が良い。 俺は握っていた手の方をふりかえる 「どう?久々にき…」 俺がそういおうとした間もなく彼女は倒れた。 息が荒く、苦しそうにしている。 俺はつくために必死で彼女のことをまったくみていなかったことに気づいた。 結局、自分のことしか考えてなかったってこと。 あぁ。なんて無責任なことをしてしまったんだろう。罪悪感で押しつぶされそうだ。 俺は、病院に連絡をした。 30分後、彼女は病院に運ばれていった。 俺は親に死ぬほど怒られた。そりゃそうだよな。彼女の両親はというと ただ俺の近くで泣いていた。 もともと余命が少ないのにあんな歩かせてしまったんだ。助かる確率の方が低いだろう。彼女の両親は15分ほどたったあと俺の近くによってきて震える声でこう言った 「ありがとう。」 その言葉を聞いた瞬間涙が信じられないほど溢れ出た。あの曇り空からの雨ではないのかと思うほど。彼女は病院生活が長いため友達とどこかにでかけたりすることがほとんどなかったらしい。だから最後につれていった俺に感謝しているのだと。 でも心の端ではきっと俺を憎んでいるのだろう。俺が親だったら絶対そうなる。 俺は彼女をつかんでいた右手を見ながらただただ涙を流していた。 翌日の朝、彼女は息をひきとった。 俺は彼女のベッドの横でつい先ほど言われた言葉を思い出していた。 「私ね、初めて君と喋ったとき。あ、この人なら私を特別扱いしないでくれるのかもって思った。もしかしたら普通の女の子のように見てくれるかも…って」 君は今にも消えそうな笑顔で俺を見つめ、話を続ける。 「でもね…ちがった。無理だったの。いくらあなたが普通の女の子のように私を見てくれても…」 『私があなたを普通の男の子にみれなかった』 いつのまにか いかないで。ごめん。無責任でごめん! と泣き叫んでいた俺の頭を撫で 「次は、どこにつれていってくれるのかなぁ?」 まるで私は消えないよと俺に囁くように。 次の日、俺はもう一度あの神社に行った。階段を登りきったとき、俺の前に現れたのは雨でも雨雲でもなく、ただただ広くひろがった真っ青な空だった。 完 ここまで読んでくださってありがとうございます!!お楽しみいただけたなら幸いです…!ではまた!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
最高です。
最高です。
すばらしい
表現力が豊かで語彙力もあり最高な小説だと思いました
す、すごい、、、!!!!
なんか、表現(?)ていうのがすごくすごかったです!!(語彙力なくてすみません、、、)個人的に好きだったところは、『あの曇り空からの雨ではないかと思うほど』というところです。 お話の内容もすごく良くて、しっかりしてるっていうか、、、。 私も時々小説とかを書いているので、参考にさせていただきたい、、!
え!!天才ですか!?
こんにちは!理科です! これを読んで、涙が溢れてきましたm(。≧Д≦。)m すごいです!! 小説家さんかな?と、一瞬疑いましたww
才能ありすぎ!
もうヤバイくらいこう..何かこう..う-ん... とにかくめっちゃくちゃすごいっ! 小説家目指そ一よ一!
すご~い!!
読ませていただきました!・・・・、すごい・・・。 分かりやすい。たとえば、「アルバムを開くかのように」とか、。 私、ここが好き。「私があなたを普通の男の子に見れなかった」 というところ。すごい・・・。 どうしたら、うまく書けるのかなぁ?天才! こんど、私も挑戦してみよう! 私も、心臓病なの。すっごい重いわけでない、ただ脈が 乱れちゃうの。だから、すごい、息切れとかわかる。 これからも、ステキなお話書いてね~
すごい!
こんにちは!シャープペンです! 読ませていただきました! とっても感動しました!
すごすぎです!!
すごいです!! 涙出ました!! 感動しました!! これからも頑張ってください!!
いいと思います!
ゆあるんです!(`・ω・´) お話自体はすごくいいと思う…! でも、読点( 、のこと)が少なくて読みづらかった…