猫かぶり
前の席のそいつは、友達であろうクラスメートと談笑に耽っている。 俺は猫背になりながら、暇そうな素振りを見せつつ、机に肘をついて空を見ている。 ……嘘だ。ずっとそいつを見ている。傍から見たら気持ち悪いかもしれない、と思いつつ。 ふいに、そいつがこちらを振り返った。花のようなシャンプーの匂いがする。 「ねえ。今日の放課後って暇?」 一瞬、誰に言っているのか分からなかったが、すぐに相手が俺だと理解する。 「えっと、多分」 「ちょっとお使い頼んでもいい? 放課後、職員室にプリントを持って行ってほしいんだけど」 どうかな?と、鈴のような声。髪が窓から射し込む光を反射し、眩しい。 「ああ、いいよ」 「ごめん、ありがとう。優しいね」 俺はそんなに優しくはない。いわゆる『猫かぶり』なんだろうな。 「お前の頼みだから引き受けている」と言ったら嫌われるだろうか。 ――あと何回話せるだろう。そもそもあいつからしたら、単なる「後ろの席のクラスメート」なのだ。 卒業まであと3ヶ月ほど。先週、志望校について話していた時にあいつの口から発せられたのは、俺が志望しているところとは違う学校だった。 自分自身の気持ちに気づいた時から、親しくもなれず「クラスメート」のまま、残り3ヶ月を迎えてしまった。 卒業の「じゃあね」で終わる関係。もしかすると、それさえも言われないかもしれない。 親しくなれたとしても、「友達」を越えられるだろうか。 どうしたら「友達以上」になれるのだろうか。 「じゃあね、プリントよろしくね」 「分かった。また明日」
みんなの答え
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いい意味の泣きです!めっちゃ好きです!
Sandankinです! めちゃくちゃ遅れた反応ですね…(ToT)ごめんなさい! とってもいい話ですね!この子の恋の行方はどうなるのか!とっても気になります! こんな良い話!感動しちゃうじゃないですかっ! この子の恋が叶うといいですね! あぁぁ!!!感動でおかしくなりそうです… めちゃくちゃいい話をありがとうございました!!!!!!
無題
題名の「猫かぶり」というのが好きです
すごく好き、、!
言葉の選び方も表現も シュチュエーションもドンピシャです☆ 主人公さん、、 あと何回「また明日。」って 言えるんでしょうね(泣) 展開を想像できるところ、 「また明日。」からもイメージが 膨らむところがいいです! 相手に想像させるようにかける 妄々さんがすごいと思います! 同い年なんて思えません! あ、長文失礼しましたー!