死んだ先の世界
本当に、これでよかったのだろうか。 見下ろすと、車や人が、点々と見える。 後ろにいる大人たちの声などは無視して、僕は、第一歩を踏み出した。 目を覚ますと、そこには、誰もいない。僕は何故か、辺り一面の草原の中心に突っ立っている。 見下ろしても、車や人は、ない。黄緑色の葉が、目がチカチカする程、きらめいている。 僕は思わず、その場に寝っ転がった。 なんてここの空気は澄みきっているのだろう。植物の匂いはなんていい匂いなんだろう。 心地よい風が僕の痣だらけの肌を優しく撫でた。ひんやりしていて、包まれている感覚。 幸せだ。 ずっとここにいたい。あんな世界、考えるだけで、ぞっとする。あそこは、息をする暇もない。ここでこんなに息を吸えることに、ありがたく感じる。 起きなければ。 寝っ転がった場所の葉々がぐったりしている。ごめんな。僕の体重で潰しちゃたな。 心地よい風がまた吹く。今度はさっきよりも強い。まるで前に進めと言っているかのようだ。なんだろう。このワクワクする気持ち。僕は思いっきり走った。果てしない草原を…。 …川だ。どうしよう。渡ろうかな。でも渡ってしまったら、もうあの世界に戻れない気がする。 頬に冷たい感覚。涙?泣いてる? もう少し、頑張ってみようかな。でも…。次から次へと涙が溢れだしてくる。戻りたくない。父さんと母さんに殴られる…。絶対嫌だ。そんな生活はゴメンだ。 『お前には味方がいるから。』 忘れていた。僕の大切な友達にかけられた言葉。心が強く締め付けられる。喉が熱い。 神様…どうか…どうか僕をあの世界に戻して。もう命を投げ出したりしない。一生懸命頑張るから。お願いします。お願いします…。 そうだ。願ってるだけじゃ駄目だ。戻ろう。この足で。 振り返ったとたんに目の前の視界が吸い込まれた。 目を覚ますと、そこには、天井?あぁ戻れた。やけにどたばたしてるな。 「自分が誰か分かる?」 白衣のおじさんが聞いてきた。僕は迷わずに答える。病室中が歓声を上げた。僕は嬉しかった。こんな僕でも、生きてくれたら喜んでくれるんだ。あっまた涙が…。今度は、思いっきり声をあげて泣いた。そしたら病室の人たちも声をあげて泣いた。僕はそれが面白おかしく、その瞬間初めて、心の底から笑うことができた。
みんなの答え
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すご~い!
TOKAGEです! この作品は、命を投げ出したいと思っている人にぜひ読んでほしい作品だと思いました。 お前には味方がいるから。その一言で主人公の未来が変わったのですね。言葉って大切ですね。 ステキな作品ありがとね!
感動!
素敵な友達、素敵な病室の人たちがいて、「僕」は救われたんだなぁと思いました 全国の「死にたい」と思った人たちにも、あなたを想ってくれる人は必ずいるってことを伝えたいです 誰でも「生きる価値」があるってことに改めて気付かされました ありがとうございました!
国語でやった風にコメ
この話を 今辛い思いをして、命を捨てたいと思っている人々に贈りたいです。 あなたは、生きているだけで、誰かの幸せを作っているんだよ…と。
泣ける!
私はちょくちょく死にたいなどということを考えるけど、これを見てわたしが死んだら悲しむ人がいるんだなと思いました。 生きる希望を教えてくれてありがとうございます!
死の…
私は死がこわくで夜ねむれなかったりした時があります でも この文を読むと「生きるかち」という のが分かりました! これからも がんばりたいです
泣ける!
凄い!泣ける! 私も死にたいと思うことありますが頑張ろうと思います! 素敵な作品ありがとうございます!
ありがとうございます。
ゆるるーん♪ども、ゆるれんです(`・ω・´) 素敵なお話をありがとうございます。 私はよく、消えたいと思うことがあります。 今も落ち込んでいたので、この話を読んでもう少し頑張ろうと思えました。 本当にありがとうございました。