あの日、君を見るまで。
桜が舞う、3月末。 「…先輩たち、行っちゃったね。」 「…だね。」 私の名前は、笙玖 春。(ふえく はる) 今日は、ここ、曹達高校の卒業式だった。 そして、3年生の先輩たちは卒業。 ある先輩に恋してた私にとっては、とても悲しく、寂しいことだった。 「はぁ…早く先輩に会いたいなぁ…」 「1年後に会えるって!同じ大学受けられたらだけど…」 私の親友、絢は言った。 「だね。」 そこで、私は今までの事を振り返った。 あれは、2年前のあの日。 桜が散り始めた、4月の初旬。 曹達高校の入学式。 当時1年生の私は、無事に式を終え、新しくできた友達、穂風 絢(ほかぜ あや)と桜並木の道を歩いていた。 「じゃ、私、こっちだから。じゃーね!また明日、春!」 「うん。また明日!絢!」 絢と別れ、桜並木の道の終盤にかかった時のことだ。 びゅおおおぉぉ… 突然強い風が吹いたのだった。 さああぁぁ…と、風は桜を揺らす。 その風に連れ去られ、桜の花びらは風に舞う。 「わぁっ!綺麗…!」 桜の花びらが大量に散って、美しい景色を作っている。 「ん?あそこにだれか…いる?」 ようやく桜吹雪も落ち着いてきて、遠くにいた人物を見るた私は目を細めた。 (…いやいや。何してるんだ私は。…帰ろう。) 自分のやってたことに苦笑いして、家路につこうとしたその時。 「なあ」 「え?」 その瞬間、私に声をかけてきた男の人は、私を抱いてきた。 (ふえぇぇぇぇ!何?何?!どゆこと?!) キキーーーーーーーーッ!! 「あぶねぇな!気をつけろや!」 ぶろろろ… 「ふぅ。行ったか…。」 「あっあの!た、助けてくれてありがとうございました!」 「あぁ、いいぞ。じゃな」 「あ…」 (行っちゃった…あれ?そういえばあれって…同じ制服?…なんかかっこよかったな…) えへへへ、とにやにやしながら帰ったら、家族から 「何にやにやしてるの…」 と言われた。 次の日。 (同じ制服だったから、同じ学校にいるはず…同級生?それとも…) そして、昨日の人を見つけた。 (2年生の先輩だったんだ…せめて名前だけでも、知りたい) 「お~い!都岐江!」 「なんだ?」 「あのさー、宿題教えてくれよー!」 「自分でやれよ」 「えー」 という会話で、先輩の名前は「ときえ」という名字だということを知った。 (素敵な名前…!) 「ねー春、なにしてんのー?」 「わっっ!絢、びっくりしたぁ」 「あれぇ?なんか顔赤くなーい?」 「えぇっ!そんなことないよ!そっそれより早く教室行こ!」 にやにやしながら私の顔をみて言う友達に焦りつつ、教室に戻った。 それから1年後と5ヶ月後の9月。体育祭。 3年生になったときえ先輩と2年生になった私。 3年生のときえ先輩にとっては高校生活最後の体育祭。 3年生リレーで、ときえ先輩がアンカー。 (あっやばい、抜かれそう) 「「頑張れ白組ーーーー!」 「「赤組粘れー!」」 ときえ先輩と私は赤組。 (やばいやばい!先輩!) 「せんぱーい!頑張れー!」 そして、抜かれそうになったところで先輩がスピードを上げた。 (!) そしてそして、ついにゴール! 「「「「やったぁぁぁぁぁ!」」」」 赤組の歓声が会場を包んで体育祭は終了となった。 「あっせっ先輩!か、かっこよかったです」 「あぁ、ありがと」 「あ、いえ」 「じゃな」 (っきゃー!先輩かっこよすぎ!) それから現在。 先輩は卒業式を迎え、ついに卒業してしまった。 「あの、先輩はこれからどうするんですか?」 「んーー、俺はこれからE大学いくよ」 「頑張ってください‼」 「うん、ありがと。じゃね」 「はい。先輩、今までありがとうございました!」 手を振って歩いていく先輩をみて、一層寂しくなった。 そして、今に至る。 「長かったようで短かったなぁ」 「そろそろ校舎入ろ」 「うん!」 1年後に会えるように、勉強頑張るぞ!