便利で、いらない能力
私は、ある能力を持っている。 それは、人の気持ちを読む能力。 この能力は、本物だ。相手の気持ちがわかってしまう。 ただ、この能力以外は普通の人間である。 はっきり言おう、私はモテる方だ。 理由は、気持ちを読んで、その気持ちに沿った雰囲気を作っているからだ。 それでモテる。 ただ、相手が何を考えているか全てわかってしまうので、信用できる人はいない。 つまり、好きな人もいないはずだった。 いらない能力だ。 しかし私は恋をしてしまった。 その子の気持ちを読んだ途端、その子の事が好きになってしまった。 そしてその恋は、止めることが出来なくなってしまった。 なぜか、それは彼がいいことしか考えていなかったから。 たいていの人間には、悪い考えがある。 それが彼にはなかったのである。 私は彼のために頑張った。 一生懸命アピールして、今までしなかったメイクまでして。 でも、ある日突然気づいてしまった。 能力を使っている時に。 彼に好きな人がいることに。 それは私ではなかった。 やっぱり、いらない能力だった。