背の高い貴方
『背の高い貴方』 背の高い貴方。 私の一番好きな人。 ドキドキしてて、ずっと不安だった中学生活。 昔から恋愛が苦手で、勉強もすごくできるわけじゃない。体育だって大嫌い。そんな私を変えたのは、 背が高くて、少し筋肉質で、ちょっと怖そうな先生。 最初はすっごく怖いって聞いてたからビクビク怯えて授業を受けた。 普通の先生たちと比べると少し子供っぽくて、でも落ち着きのある声。 体育の先生ってこともあって背も高いし足や腕も筋肉質。 無邪気に笑うその表情は「怖い」なんかじゃなかった。 運動音痴でずーっと万年クラスで体力テスト最下位の私にもわかるように丁寧に教えてくれた。 一日で一目惚れ。 先生のことしか考えられなくなっていた。 気づくと次の授業いつかなあなんて考えて、体育が嫌いだった私には考えられないくらい先生のおかげで体育が大好きになった。 実技はできないままだけど、なんとか保健のテストは先生によく思ってもらうために頑張ってずっと上位を取り続けた。 みんなは「叶わない恋なんてやめなよ」なんて否定するけど、私はそうは思わない。 きっと叶わないこの恋だけど、私はずっと追いかけていきたい。 ここまで本気になれたのはいつぶりだろうか。 恋愛に恐怖すら抱いていた私が素直に人を好きになれたのは、先生だからだったんだ。 体育祭、文化祭、先生の誕生日、月日が流れてたくさんの思い出を作った。 学校が嫌いだった私は毎日学校に来たいと思った。 明日に希望を抱けるようになった。夢は教師になろう。先生を見てそう思った。 先生、という立場だからいつ、この学校からいなくなるかなんてわからない。けど私は精一杯を尽くして先生に覚えてもらう。 大好きだから。最後の最後まで一番は背の高い貴方なんだから。 二年生、もうすぐ夏だ。 来年のこの時期に先生がここにいるかはわからない。 辛くて怖いけど大丈夫。 今を一番に生きれば良い。先生が好き。大好き。 夏の匂いがする。 今日も私は、背の高い貴方に精一杯に恋してる。 気の弱い私の物語、この物語に終りが来るその時まで私は先生に一番を尽くす。 いつまでたっても叶わないこの無垢な恋。 先生、いつか受け取ってね。