私、いい子じゃないからね。
私の名前は優。名前に反して、私は決して優しくなんかない。 今日も朝ごはんも食べずに学校に行く。 周りに見えるもの全てが鬱陶しい。 そんな私だから、学校でもあんな目に遭っているんだろう。 こんな捻くれた私のことは、先生も味方しない。 ただ味方をするのは、このアホだけだろうか。この女の名前は心姫(はあと)。 名前を見ればわかるように、私とは反対で親に溺愛されている一人っ子だ。名前を呼ぶだけでも恥ずかしくなる。 愛され続けてきたお前が私なんかと関わらない方がいい。 と、いつも言っているのにこいつは言うことを聞かない。 別にこいつは役に立つわけでもないのに。 私をカラオケや最近流行りのカフェに連れて行ったりするだけだ。 そんなこいつが、最近いじめられているらしい。 私はそのことについては何も言わなかった。私には関係のないことだし。 私を助けたこいつの自業自得だ。 そんなある日、トイレにも教室にもあいつがいないと気づいて急いで屋上へ行くと、 案の定あいつが屋上に立っていた。 「ハート。ここで何してんの?」 「え?ああ。疲れちゃって。私、優ちゃん迷惑だったよね。 これ以上何かしてもみんなの迷惑になるだけなんじゃないかなーと思って。 ほら、私ってみんなにキモいって言われてるしさ、 これ以上新しい教科書買ってもらってもパパとママを困らせちゃう。だから…」 私は耐えられなくなって。こいつの胸ぐらを掴む。 きゃっ!とハートは言ったけど、私はそんなことお構いなし。 「何が疲れたーだ。そんな半端な覚悟で私みたいな奴助けたら痛い目見ることになるよ? 私を助けたあんたには、一生この最低な私の友達でいてもらおうと思ってんの。 そんな簡単に死なせはしないよ。私、意地でもあんたのこと生かすから。 あんたを簡単に死なせてあげるほど、いい子じゃないからね。」 私がそう言うと、ハートはふふっと笑って、 「わかったよ。優となら、どんな地獄も返り討ちにできる気がする。」 と言った。私はこいつと、この地獄を生き抜いてやる。