短編小説みんなの答え:3

春とたんぽぽ

「おはよう!」 『おはよう。』 私は、伯河 燐(はくがわりん)。私の一日は、大好きな彼への挨拶から始まる。 彼は幼馴染で、名前は瀬川 春(せがわしゅん)。明るい性格だけど、ぶきっちょなところがある。 さて、今日は土曜日。春の家でも遊びに行こうかな。 「春んち行ってくるー!」 スマホと水筒、お菓子をカバンに詰めて家を出る。 「こんにちは!遊びにきたよー!お邪魔しまーす!」 徒歩約3秒。そう、家が隣同士なのだ。 「あら、いらっしゃい!」 『またかよ。土日毎日来てるだろ。』 「春の部屋、入るねー。」 春の部屋は、2階。ドタドタと、音を立てながら階段を駆け上がる。 「春の大好きなチョコ、持ってきたよ!」 『えーっ。一個だけか・・・』 「また明日も、持ってきてあげるからね。」 『やった!ツーか、明日も来んのかよ。』 春の部屋は、毎日花の匂いがする。花は、花瓶に飾ってあるんだ。 「燐ちゃーん」 春ママの声がする。 「はーい」 「いつもありがとね。下で遺品整理してたら、こんなのが出てきたのよ。読んでみて」 『燐へ 直接伝えられなくてごめん。 俺、多分もう燐に会えないと思うんだ。 燐のことは、ずっとずっと大好きだった。 もっと一緒に居たかった。 できれば、おじいちゃんになるまでそばで見守りたかった。 頼りない幼馴染でごめん。 そして、俺と一緒にいてくれてありがとう。   春』 「春・・・私も、一緒に居たかったよ」 声がふるえて、涙がこぼれ落ちる。 「春、春、隣でいつもみたいに『ばーか』って言ってよっ」 手紙を抱きかかえて、思いっきり泣く。 『燐』 「え?」 『ばーか』 一瞬、たんぽぽの匂いがした気がした。   読んでいただき、ありがとうございます。 今回、珍しく悲しめの物語になっています。ちょっと読みにくかったかもです(ToT) こだわりポイントは、春のカギかっこを『』にしたところですかね。本来は、聞こえるはずのない声です。 あとは、最初の挨拶。燐は、写真の春に語りかけています。 事実を知った上で、もう一度読んでみてください。見方が変わるかも・・・?

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