大好きすぎて
秋谷病院のある病室では、あることが起きていた。 「おれ、ナミのこと、ずっと大好きだから」 重い病気で入院しているルイトは、おみまいにきたナミに言った。 「私も、大好きだよ、大大好きだよ!」 ナミは涙でルイトのベッドをぬらしながら、必死に言った。 「大好きだよ」 もう一度ルイトは言って、息を引き取った。 13年という短い命を終わらせた。 ナミはそれから一年間、泣き続けた。 それから一年後、ナミはやっとのことで元気が戻り、ベッドに寝転んだ。 すると、ルイトの声が聞こえた気がした。 『ナミ、大好きだよ』 慌ててあたりを見回すも、人の姿はない。 『ナミ、君がこっちに来るまで、おれはお前をずっと近くで見守るからな』 「ル、ルイト君!?い、いないよね・・・?っていうか、見張られても困るんですけど!?」 『ナミ、おれはお前が大好きなんだ。だから、心配なんだ』 ルイトはそう言って、毎日毎日話しかけてきた。 彼はナミのことが大好きすぎて、ずっとそばにくっついていた。 大好きすぎて。 そうして、ナミは20年後、やっと言った。 「私も大好きだから、あなたの所へ行くね」 そうして、ナミという人間はいなくなった。