ターゲット
ーいじめ。誰もが「いけないこと」「悪いこと」と言うが、本当は思っていないのかもしれない。 なぜなら、私達もそうだから。 放課後、生徒ががパラパラと帰り、先生も職員室へ戻った後。私達は飛鳥高校(あすかこうこう)の3年7組に集まる。みんなが揃った事を確認し、私、鈴木 杏菜(すずきあんな)はひらがなと「はい」「いいえ」を書いた紙と十円玉を出す。こっくりさんをするのだ。こっくりさんは、簡単に言うと十円玉に手を置き質問をすると十円玉が動き出し答えを教えてくれるという占いだ。 皆が十円玉に手を置く。 「こっくりさんこっくりさん、お越しください」 「こっくりさんこっくりさん、次のターゲットは誰ですか?」 そう質問すると、十円玉が動き出す。今から決めるのは、いじめのターゲット。私達は1ヶ月に1回、私が中心となっていじめのターゲットを決める。 「あ」「さ」「の」「く」「み」 ー次は浅野 玖美か。 その次の日から1ヶ月、いじめが続いた。 「うわっ…きも…」「近づかないでよ」「あんた本当にブスよねーw」 言葉と暴力でいじめる。まあ、1ヶ月なだけ、ありがたく思いなさいよね。 玖美は先生に言う勇気がないらしい。玖美の友達も、味方をしたら自分もいじめられるからと、そいつも玖美をいじめる。 いい気味。だけど今日で玖美は飽きてきたから終わりだ。次は誰だろう。 いつも通り、3年7組に集まり、こっくりさんをする。 「こっくりさんこっくりさん、次のターゲットは誰ですか?」 「す」「ず」「き」「あ」「ん」「な」 …は? 「み、みんな、今のことは忘れなさい…!」 「……何言ってんの?バカじゃないの?きもいんだけど。」 …!あ…、あぁ…っ… 「死ね!!」 激しい音と共に、私のお腹に激痛がはしった。…殴られた。周りの奴等に殴られる中、必死に走って逃げた。 「ハアッ…ハアッ…た、たすけて…っ!」 ー次の日。学校に登校したら、みんなが「来るな」とゴミを見る目で言われた。その中には、浅野玖美もいた。 「っ…!」 1ヶ月たった。私は心も体もボロボロ…。でも、これで、開放される…! だが、次の日もその次の日も、何ヶ月経っても、私はいじめを受け続けた。 こっくりさんは、これから永遠に私の名前を出して、私は永遠にいじめのターゲットとなる。