私の 能力
初めに言おう。私は狐だ。 今山と言う山にいる狐の一族に生まれた。 私の一族は、みんな何かしらの能力を持っている。 お父さんは時間を操る能力。 お母さんは、火を操る能力。 弟ははなんでも美味しいものにする能力。 能力って、便利なんだ。 ここまで言っていて、変なことない? 気づいた人はすごいけど、私の能力を言っていないということ。 実は、私の能力は、まだ見つかっていない。 これは、私の悩みでもある。 今まで、一族で能力のない狐なんていなかったから、とても不安だ。 何年か経って、今山に病気が流行した。 みんなが病に倒れていく中、私は病気にかからなかった。 しかも、私が看病した人は、すぐに元気になっていった。 長老の病気を看病した時、長老に話しかけられた。 「なあ、おまえの能力がわかったぞ。」 私は期待が高まった。もしかしたら、小さい時にはわからなかったぐらいすごい能力かもしれない。 「それはな、生きる能力じゃ。」 ガッカリしてしまった。人の感情をコントロールできるとか、動物と話せるとか、そんなものを期待していたのに。 それを見て、長老が言った。 「生きると言うことは、全てにおいて、大切なことなんじゃよ。 命がなければ、何もできん。」 私はその言葉が、深く心に響いた。