短編小説みんなの答え:1

過去のことなんて関係ない

巫女ミレン それが私の名前だった。 この名前は、生まれた時にお母さんにつけてもらった。 つまり、巫女になると決まっていたという事だ。 私の家系は代々巫女。 巫女の仕事は、成仏できなかった魂を救う事。 成仏されなかった魂が怒ると、魂が怨霊となり、大災害が起きてしまうから。 かの有名な菅原道真公の怨霊が現れた時、それを止めたのは私の祖先 巫女カイリ。 とても強い力のある巫女で、他の巫女に止められなかったこの怨霊を止めたのは10歳の時。 『たった10歳の子供に助けられた』なんて言えない政府が歴史を書き換えたんだけど、 今の世があるのはとにかくカイリ様のおかげなのです。 私も巫女。 だから、学校には行かずに仕事をしている。 毎日街を歩いて、気配を感じて。 いつものように街を歩いていた。 すると向こうから、同じくらいの歳の子たちが歩いてきた。 その中の1人が私にからんできた。 「私カコ。あんた、何歳。どこに住んでる?」 「私、11歳。株屋町に。」 「なら、あたいたちと同じ学校のはず。あんた私立?」 この質問には答えられない。 「ごめんなさい、用事があって。」 急いで逃げ出した。 それから毎日カコにからまれた。 はやく仕事をしないといけないのに。 『カコなんか、いなくなればいい』 仕事に忠実だったミレンは、何度もそう思った。 しばらくたったある日、ミレンは違和感を感じた。 そして、かつてない怨霊の気配を感じた。 気配を頼りに駆けつけると、人だかりができていた。 人をかき分けて前に進むと、そこにはぐったりしたカコがいた。 誰かが言っていたが、車にはねられたらしい。 カコはいまや、とにかく強い怨霊になっていた。 怨霊を成仏するには、その人が幸せなところを思い浮かべて呪文を唱えればいい。 ミレンは、カコの魂を成仏しようとした。 しかし、今までからまれた記憶が邪魔してうまくできなかった。 諦めかけた時、耳に誰かの声が聞こえた。 不思議なことに、一度も声を聞いた事がないのに、カイリ様の声だと分かった。 『いい事を教えてあげましょう。代々巫女は、 できるとかできないじゃなくて、  やってきたの。誰かを幸せにするためにね。  それからあなた、目標を決めるといいわよ。』 ミレンはカコを成仏できた。 そのあと、目標を決めた。 『全ての人の幸せのために』

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