偽りの姿
私は、宮本絵里香(みやもとえりか)。 実は私、今、芸能界で大活躍中の宮本絵里愛(みやもとえりあ)の双子の姉なのだ...! 絵里愛は、昔から私と違って何もかも完璧。演技やモデルの仕事、勉強や習い事だって光り輝く才能を持っている。日に日に、絵里愛は人気を急上昇させ、今では”宮本絵里愛”という名前を聞いて分からない人はいないだろう。 でも、絵里愛が大活躍中だからこそ、世間に絵里愛に双子の姉がいる事が知られると、平凡には暮らせない。だから、私は”偽りの姿”で外出している。 今日は、学校のある平日。私は毎朝、早く起きて”偽りの姿”を作る。 まずは、メイク。と言っても、学校はメイク禁止だから、スクールメイクだけど。それでさえ、やらないよりはだいぶ違う。 メイクが終わったら、次は着替え。私は、絵里愛の双子だとバレないようにするため、通っている学校が違う。絵里愛は、隣の区にある○○中学校、私は区内の公立中学校に通っている。 制服は、少し地味めなセーラー服。校則通りに着て、なるべく外で目立たないようにする。 それと、変装用で眼鏡をかける。まあ、変装用と言っても、ごく普通の眼鏡。多分、周りには、「目が悪くて眼鏡をかけている」と思われているだろう。 最後は、ヘアセット。絵里愛が高めのポニテなのに対し、私は二つの三つ編みヘア。絵里愛は、「明るい陽キャ系女子」という雰囲気だから、私は反対の、「地味で大人しい女子」を演出している。 変装を終え、朝ご飯を食べ終わったら、いよいよ学校に行く時間だ。 今日も、私は”偽りの姿”で嘘を貫き通す。