告白
「あ、あのっ…す、好きです!つ、付き合ってください…!」 学校の校舎裏。2人っきりの私たち。桜の散る中、温かな風がそばを吹き抜けていく。空は青く、鳥は歌う、そんな日を演出するため、3ヶ月前から天気予報をチェックし、桜前線を見たうえ、そこら中に念入りにパンくずをまいておいたし、邪魔されたくなかったので何も知らないリカを急いで帰らせもした。なんならおまじないに校庭に石灰ででっかく「あや、りく」と相合傘をかいてきた。完璧な告白日和といったところである。セリフだって、もう何百回も口の中で練習していた。でも、焦ったせいでつっかえてしまった。でも、いけるはず…。 「あ…ごめんね。」 鳥は鳴き止んでいた。嫌に静かな空間に、その声は響き渡った。 「僕、どうしてもあやとは付き合えないっていうか…。」 なんで…? 顔が気に入らない?声がかん高い?太ってる?そもそも生理的に無理とか…?体臭とかするのかな私…。名前が気に入らない?あやってそんなに気持ち悪い名前だったりする…? いろんな気持ちが渦巻いて、思わず目に涙が浮かんでくる。 「あんた、私の友達に何してんだよっ!」 凛とした声が響いた。咄嗟に振り返ると…。 「リカ!?」 立っていたのは、私の1番の親友、リカだった。 「校庭の文字見て急いで来たんだけど、あんた、あやに何したの!?よくも泣かせるようなことをっ…」 「ち、ちがうの!りくは私の顔と声と体臭と名前とその他諸々がちょっとだけ苦手なだけでっ…。」 「いや僕そんなこと一言も言ってな…」 ぱぁん!!一際大きな音がした。 …リカが、リクの横っ面を張った音だった。 リカが泣きながら言った。 「よ、よくも私からあやをとったな…。私の方があやを数十倍も数百倍も愛してるのに…。」 ひぐっ、ひっぐとリカがしゃくりあげている…。 「ん?」 リカ、愛してるって言った…? そりゃ大事な友達だけど、愛情表現で号泣しながらいう言葉なのか…? リカが泣きながら足に縋り付いてきた。 「あや、リクと付き合わないでっ…!私と付き合ってよっ…!」 ん?んん?んんんんん? 私がさっぱり分からないという顔をしていると、リクが苦笑して言った。 「あやが僕のこと好きなのは分かってたんだけど、なにせこいつの片思いがすごいもんだから…。ちょっとリカに申し訳なくなっちゃって…。」 は、はいいい!? 私があわあわしていると、何かが私の足をつついた。 見てみると…。 「…鳥…?」 見るからに物欲しそうな鳥たちが大量に足元に押し寄せていた。負けるもんかとリカも足にしがみついている。 「ど、どういうこと…!?」 はっと思い出す。 「私、パンくずいっぱいまいてたから…。なつかれちゃったの…?」 桜は散り、風は吹き、空は青く、足元で鳥が騒ぎ、リカにしがみつかれ、横でリクが苦笑している…。 ど、どうすりゃいいのよこの状況ううう!!!