走って、走って、走って
「よくやるじゃねえか、マイ!もう10本いけ!」 「はい!」 「そして、ほかの男ども!お前らは20本だ!」 「うぐっ・・・・はい!」 俺は山崎。陸上部に入部した1年生だ。 先輩たちは厳しくて、よく出来なければ20本、30本と増やされるしまつ。 筋肉痛が襲ってくる。 陸上部の中で1人女子でいる、マイ。 黒髪を後ろできつく束ねて、緑色のつり目が印象的な美人。 運動神経が抜群な様子で、先輩たちにはかわいがられてる。 ――もしかしたら、マイが可愛いから好かれてるだけかもだけど。 それはともかく、マイは部活の中でもよくやる。 筋肉の量も多く、体力も女よりあるはずの男子を上回っている。 走って、走って、走って。 マイは無限の体力を持っている。 ずっと走り続ける。 陸上大会ではまんまと優勝した。 俺は、この女に負けるものかと思った。 俺も走った。 走って、走って、走って。 そうしたら、マイはある日言った。 「山崎は、私に勝ちたいんでしょ。いいよ。やってみなさいよ」 挑発気味な言い方、ニヤニヤした表情、美しく光る瞳。 マイらしくてつい、ほほ笑んでしまった。 「うん。俺はお前みたいな女、ぶっ倒してやるよ。そして、次の陸上大会では、 お前を越してやるよ。半端ない体力のお前をな!」 そう返すと、彼女はくすっと笑い、俺の手をパンっとたたいて、黒髪をかき上げた。 「あんたは私のことがどんだけ好きなのよ。バレバレなんだけど」