恋心の行き場
まさ兄の隣にいたのはいつも私だった。 なのに、どうして? 私の近所に住んでる9個上のまさ兄はもうすぐ結婚する。それを聞いた時、私は頭が真っ白になった。 あの笑った顔も、優しい顔も、困った顔も、全部私だけのものだと思ってた。 「まさ兄、結婚するの?」 「そうだよー」 「…どんな人なの??」 「んーまこみたいな子かな」 「えーわたしー?笑」 胸がギュッとなった。結婚相手のことを話すまさ兄の顔は今まで見たことないくらい幸せそうだった。 「まこも早く良い男の人見つけなよー?」 そんなこと、簡単に言わないでよ、私の気持ち何もわかってくれてない。 私はまさ兄の結婚式に出席しなかった。熱が出たって嘘ついた。 本当に最低だ。こんな自分大っ嫌い。 ピンポーン 「まこ!大丈夫か?」 インターホンの向こうでは、あの頃のような優しい顔でまさ兄が立っている。 もう優しくしないでよ、こんなのもっと好きになっちゃうじゃん。 「まこ泣いてる?」 私は無意識に涙を流していた。どうしよう、誤魔化さなきゃ。 「…ッッまさ兄、結婚おめでとうっ」 やっと言えた。これでいいんだ。これでみんな幸せになれる。 「ありがと」 「絶対、幸せになってね」 まさ兄が幸せなら私も幸せだから。 でも、まさ兄の薬指を直視できるようになるのはもう少し先かな、