短編小説みんなの答え:3

しずく

「陽麻里、ちょっとこっち来て」 学校から帰えり、家についてすぐ、お母さんに呼ばれた。 「落ち着いて聞いてね。雫ちゃんが…今朝、亡くなったの。」 お母さんがそういったが、私はすぐに信じられなかった。 亡くなった? あんなに優しい、あの雫が? あんなに明るかった、あの雫が? 「嘘…嘘だよ!なんで…なんでよ…」 私がそういうと、お母さんは深呼吸をして、 「これ、読んでみて。」 といった。 一枚の紙が差し出される。 『大好きな陽麻里へ 病気のこと、話せなくてごめんね 小さい頃から余命のことは知ってた 陽麻里は幼馴染だし、本当は話したかったけど、話せなかった 余命のことを話すと、陽麻里と今までの関係でいられないかもしれないって思って 私は陽麻里が大好き 陽麻里が笑うと私も元気になるような気がするから 名前と似てるね 陽麻里は、ひまわりみたい 私は雫だから、そのまましずく。 「ひまわり」を潤して支える「しずく」みたいな ちゃんと陽麻里を潤せてたかなぁ 陽麻里は、私以外の新しい友達をつくってね 私が死んでからは、ちょっと覚えてくれてるだけでいいから ずっとずっとずーっと大好きだよ 雫より』 手紙に、ぽたぽたと涙が落ちる。 「陽麻里、大丈夫?」 お母さんが話しかけてくれたけどうまく聞こえなかった。 ノイズがかかっている、という表現が一番近いかもしれない。 お母さんの声だけではなく、外で鳴いているセミの声や、下校中の小学生達の声、時計の秒針の音まで、全てにノイズがかかっていた。 全てがノイズにかかり、何も聞き取れないなか、雫の声だけが頭に響いていた。 優しくて強い、あの声だけが鮮明に聞こえる。 雫の声を聞けば聞くほど、私の涙が流れて、私の涙が流れれば流れるほど、雫の声がどんどん大きくなっていって。 気づいたら、ノイズすら聞こえなくなっていた。 「今ごろ、ホームルームかなぁ…」 私、雫は、小さな頃から病気を持っている。 薬を飲めば他の人と同じように暮らせるが、高校生まで生きるのは難しいと言われていた。 そして、中学三年生になった今、病状が悪化した。 つまり、私はもう死ぬのだろう。 陽麻里の前では、極力明るく振る舞うようにしていたが、病気のことは勘付かれなかっただろうか。 陽麻里あての手紙を眺めながら考える。 陽麻里への手紙が読み終わった途端、急に体の力が抜けていった。 暑くて、寒くて、体が浮いていくような感じがして、体が沈んでいくような感じもして。 もう少し、陽麻里にとっての「しずく」でいたかったが、そういう運命なのだから仕方ない。 私はそのまま、目を閉じて、私を襲う数々の感情に身を任せた。 午前四時二十九分のことだった。 ~後書き~ おはー!都姫だよ! 解説?的なのをすると、午前四時二十九分は、語呂合わせで、「しずく」と読みます! 「4」→「し」 「2」→「づ」 「9」→「く」 って事です! 感想くれると嬉しいです! アドバイスなどもぜひぜひ! それではー♪

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