実は、こわい話
「こんにちは・・・・」 「こんにちは。私はこの図書館の監視員、実(みのり)だよ。」 「あの、僕、ヒカルと言います・・・・。」 「紹介するね。ここはホラー系の本がいっぱい。でも、その9割がみんなを騙そうとしている本なんだ。ボーッとしてると、騙されちゃうよ☆ そして、ここはだれかを本にするっていうルールを破ると閉じ込められちゃうの。気をつけて。 そう。あなたにピッタリの本があるんだ。___さぁ、ページをめくってみて。私のおすすめのページを。」 実は、怖い話「真実を解いてみて!」 今日、僕のテストは56点。いつもそれくらいの点数だから特にすごく悔しい、というわけではなかった。 その時、友達のカケルが100点を取ったと言って僕の所によってきた。 「お前、まじかよ。いっつも50点くらいなのに・・・ズルしてないよな?」 「はぁ・・やっぱ友達には隠せないな。カンニングってわけじゃないけど、ちょっとした魔法を使ったんだ。その動画送るから。」 やっぱり、なにかやってんだ! でも、その魔法というのが気になって教科書を開いて机においてバレないようにそっと見た。 『こんにちは~!私はうさぎの妖精うさぴょんです!今日もあなたに特別の魔法をかけちゃいます! だけど、今回は手軽にできる魔法を紹介しちゃいます!みんなもやってみてね!』 字幕をつけながら見ているけど、自分でやるのか。 『まず、右手で今の時刻を描くよ。だいたいでいいからね。そしたら、左手で丸を作って「とじまかれん」って唱えてね。すると、時間が止まっちゃう!』 とじまかれんというのは、多分「とまれ」という文字の間に「じ」「か」「ん」という文字を挟んだのか。 こんなのを信じて大丈夫かな?でも、カケルがやってたから大丈夫だよね。 今の時刻__10時35分。左手で丸を作ってとじまかれんと唱える。 すると、先生も、熱心にノートを書いていた子も、カケルも、クラス全員が止まった。 「す、すごいっ!」 10分くらい、この時間を楽しんだ。 あるきまわったり、窓の外を見たり。 でも、だんだんと飽きてきたな。 そして、僕は一時停止してる動画を流そうと指を動かした。 「ね、面白かったでしょ?真実を教えてあげる。 カケルという男子が主人公に時間が止まる動画を教えている。そして、元に戻そうとして動画を流そうとした__わけではなさそうね。 わかってる人はわかるんだけど、この動画って一時停止してる?主人公が動画を止めたのは誰も見ていないはず。 そう。この動画が止まってるのは呪文を唱えたから。時間が止まって動画も止まってしまった。 さぁ、主人公は時間のとまった空間でどうやって元に戻すのかしら?」 「と、いうわけ。君の名前ってヒカルっていうんだっけ?」 「はい。そうです。僕の用件を聞いてほしいんです。・・・・・あの、戻してください!時間、戻してください!」 「時間?まさか、さっきのお話ってあなただったの?」 「はい。それより、実さんは僕を騙していたんですよね?あの動画を投稿したのは実さん。だから、この責任は実さんなんだ!」 「へぇー、ずいぶんするどいね。__そうよ。私が投稿した。恐怖というものを覚えてもらうためにね。じゃあ、時間は戻してあげる。」 「ほ、ほんとですか!?ありがとうございます。では、僕はここで帰りますね・・・・」 「え、帰る?ざんねーん。」 すると、実が低い声で笑って言った。 「実は、ここは一度入ったら帰ることはできないの。でも、大丈夫。管理はしてあげる。」 パチン 指を鳴らしたような音がしてヒカルは消えていった。 「ここに入ったら帰ることはできない。でも、大丈夫。本の中に閉じ込めて、管理することだけはやってあげるから・・・。」