失ったキミのパーツ
目を覚ますと、そこは病院だった。 周りには、お母さんや親友の舞菜が居た。 「あれ...?」 「那月!」 「おい...那月...大丈夫か...?」 そういったのは、私の記憶にない同級生くらいの男の子だった。 「えっと...どちら様ですか...?」 「嘘...でしょ...!?」 「じゃあ、私のことはわかるわよね!?」 「うん、お母さんと、舞菜のことはわかる...でも...このひとが誰か...」 「那月...俺だぞ!慶だぞ...?」 「けい...?ごめんなさい、誰だか...」 その時医者が来て、詳しいことを説明してくれた。 「えー、那月さんの場合、事故にあって"一部だけ"の記憶喪失ですね」 「その"一部だけ"の記憶喪失が俺だと?」 「そういうことですね。こんな珍しいケース、稀にしかないんですが...」 それから私は、「ケイ」という人以外の記憶をとりあえず取り戻すため、学校に行った。 学校の友だちや先生は全員覚えていたけれど、やはり「ケイ」は思い出せなかった。 半年間、私は「ケイ」を思い出すため、一緒に過ごした。 それから「ケイ」は親の転勤のため引っ越すことになった。 引っ越し当日、私はハッとした。 ケイ...けい...慶...!! そうだった。慶は私のパートナーだったんだ。 思い出したよ。失ったキミのパーツ。 私は思いっきり病室を飛び出して、病院の外へ走った。 どうか...間に合ってくれ... 「慶!」 「那月...」 「思い出した...!キミのパーツ...!!」