どしゃぶりの日に。
ぽつ、ぽつ。 雨が降ってきた。 やがて、強くなってきた。 「どしゃぶりだぁ・・・。」 中学一年生の紺野七海(こんのななみ)はつぶやいた。 「傘持ってないし、あまやどりできる場所ないかな・・・。」 私はそばにあるお店の屋根の下に入った。 「キミ、だれだい?」 同い年くらいの男の子が話しかけてきた。 透き通った大きな目。鼻筋が通っているし、結構かっこいい。 「あっ、ごごごごめんなさい!!」 私はとっさに言った。 でも、男の子は 「なんで?」とこっちを見ている。 しばらくして、男の子が口を開いた。 「あっ、もしかして・・・七海?」 突然の彼の言葉に私はビクッとした。 「えっ・・・?。」 私は意味が分からなかった。 「あの・・。あなたは・・・?」 私はおどおどしながらもそう聞いた。 「僕は、紺野遥(こんのはる)。」 「ここのお店の・・・。」 「そうなんですか。」 「ところで・・・。」 男の子が喋り始めた。 「キミ、七海だよね・・・。」 「それなら、これ、知ってるよね?」 私は、男の子に、写真を見せられた。 「ここ。」 男の子が指さした所には、 きれいな女の子の顏が写っていた。 「これは・・・光莉(ひかり)ちゃん・・・?」 私は、友達だった光莉ちゃんを思い出した。 「そこじゃない。ここ。」 そこには、小さい頃の私が写っていた。 「えっ・・・これ・・・。」 「もしかして・・・。」 私は、分かった。 「もしかして、遥(はる)?」 「うん。」 私は、小さい頃、お母さんの離婚とか色々あって、いとこや家族とは会えなくなった。 私は、お母さんと私で暮らした日々を思った。 今日会った男の子は、弟の、遥だった。 「遥_!」 どしゃぶりの日に・・・私は・・・ おしまい。