短編小説みんなの答え:3

命が尽きる、その日まで。

私は星宮未来(ほしみや みらい)。 天野斗羽(あまの とわ)と 付き合い始めてちょうど3周年になる。 ─3年前─ 最初はただのクラスメイトだった。 少しずつ、ミステリアスな彼の内側に 優しさが秘めてあることを知り、 彼に対して恋愛感情を持っていることに気づいた。 それは、甘い初恋だった。 「ずっと、好きでした...  付き合って、くれませんか?」 無我夢中で告白したときには、 付き合うなんて想像もできなかったな。 ─現在─ 斗羽との帰り道、なんとなく考える。 彼は、今でも自分のことを話したがらない。出身も、歳も、何もかも。 歳?と思うかもしれないけど、 斗羽は歳のわりに落ち着きすぎだ。 ミステリアスな雰囲気も、高1とは思えない。 だから、想像してみた。 もし...もしの話だけど、 ───斗羽が永遠に生きられるのなら? 私と、命の時間が違ったとするなら? そしたら、今までの行動も辻妻が合う。 出身も、今にはないところかもしれない。歳も、設定と全然違うかも。 ふと、思い出した。 前、斗羽のポケットから落ちた 日記帳の紙を拾った。 そこにはこう書いてあった。 「未来には、この秘密は隠さないと  未来の人生が僕に縛られてしまう」 その時は気にしなかったけど、 斗羽は...... 「未来?どうしたの?」 その声にハッと我にかえる。 私が考えていたこと。 ───斗羽は、私といつか別れるつもり    なんだろう。    私が先に逝くのを見たくなくて。    独りぼっちだと思いたくなくて。 「ねえ、斗羽?」 斗羽が首を傾げる。 「斗羽が隠してること、  なんとなく分かったの」 斗羽は少し驚いて、いつもの、 本心を押し殺した表情に戻った。 「いつか話してくれてもいいんだよ?  私はずっと待ってるから。  それに、斗羽は1人にならない」 ───だって、私が永遠に斗羽のこと    愛してるから。 斗羽は今まで愛情表現をしなかった。 好きと自覚したら、離れたくないと 思ってしまうからだろうか。 ずっと一緒にいられないのに。 でも、初めて私は言われた。 泣きそうな、嬉しそうな顔をして。 「僕もずっと、ずっと愛してるから」 たとえ、生きられる時間が違っても。 私の短い時間は、人生は、 斗羽に捧げると決めたから。 命が尽きる、その日まで。

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