本物の家族。
「大変申し訳ございませんでした。」 思えば、それが口癖だった。 『幸せな家族』はもう、どこにもないのだろう。 ーーーーーーーーーー み、南美 瑠美(みなみ るみ)です! よ、よろしくお願いします! カタカタした声であいさつすると、両親らしき人がこちらを見ている。 すると… 「今日から苗字は『桜井』でしょ?それに…写真よりブスじゃん!」 「っ!…」 まぁ言われても無理もないと思う。なぜって?私は養子として引き取られたから。 施設の方には、本当の両親含め、家族は他界したと聞いている。 改めてあいさつした。 「桜井 瑠美です。」 「は?何度あいさつされても、顔が良くなるわけないよね?分からない?」 「大変申し訳ございませんでした。」 私が土下座をすると、満足そうに部屋に戻っていった。 それからというもの、家族による暴言、暴力は止まることがなかった。 私には何の取り柄も、ないのだから。謝るしかない。 そう教えられて生き伸びた。そんな私ももう大人。 ある日、いつもと同じように家事をしていると、息が詰まった。 何とか自力で救急車を呼ぶと、気絶してしまった。 目を開けるとそこは病院で、知らない子が覗き込んでいる。 私より年上だろう。するといきなり口を開いて、 「あなたの本物の家族の、瑠花(るか)です。私はお姉ちゃんに当たる人です。」 と言ってきた。状況が理解できず固まっていると、事情を話してくれた。 どうやら話は本当らしい。話によると南美家は、昔火事に遭ってしまったらしい。 両親は死んでしまったらしいけど、私達姉妹は生きていた。瑠花さんは、心臓に 損傷を負って、病院へ。私は怪我を負わなかったが、親が見つからず、施設へ。その後、桜井家に引き取られた。 そして今に至る。と、そう言っている。私は喜びやら悲しみやらで訳が分からなかったけど、入院しているうちに 瑠花さんは、もう助かることはないと知った。あの時の損傷が原因だということも知った。 今日、昼間に急変してしまったのだ。 2人しか居ない大部屋で、モニターが「ピッピッピッピッ…」と音をあげている。恐らくもう 最後なのだろう。せめてお礼をしなきゃと立った瞬間、ガバッと抱きしめられた。 「生きていて、よかった。瑠美、大好きだよ!」 そう微笑む。私も、 「ありがとう。大好きだよ。瑠花さ…お姉ちゃん!」 2人は微笑み合った。 そして、モニターが「ピーーー!」と鳴った。 ちなみに桜井家では、私以外のお手伝いさんがおらず、大混乱!私に謝罪し、『幸せな家族』へと、 変わりました☆ ーーーーーーーーーー 終わりです!めちゃくちゃ長かったと思いますが、読んでん頂き、ありがとうございました! 感想お願いします(^^)