私の大好きな
太陽が二人の影を作る。じりじりと肌が焼かれていくような感覚がする。 「...なぁ、アイス買わん?」 顔を上げて声のした方を見る。暗いアスファルトから白いブラウスに景色が移ったせいで軽くめまいがする。 大好きな親友のあさひと目が合った。 「せやね。暑くて死んでまいそうや。」 額をつたう汗を拭う。 「やろ?今お金持っとるから奢ったるよ」 「いま金欠やからありがたいわぁ」 「なんや、またグッズでも買ったん?」 こくりと頷く。彼女が大きな口を開けて笑った。 その眩しい笑顔に、おもわず胸がどきりと鳴る。 少し前からこうだ。あさひに対して他の友達とは違う何かを感じてしまう。 そんな自分がじれったくなって、私はあと少しのコンビニまで走った。 「あさひー!競争や!」 「りん!?ちょっと待ってや~!」 びっくりして裏返ったあさひの声に思わず笑ってしまった。 しばらくコンビニで涼んでからまた歩き始める。 私もあさひもチョコ味の棒状のアイスを選んだ。 二人の紺色のスカートがぬるい風に吹かれて、靴に影を落とす。 アイスの袋を開けて、溶けないよう急いでほおばる。歯がしみるほどの冷たさだ。 「あ~おいし~!生き返るぅ」 うなずいてから、ずれかかったスクールバッグを担ぎなおす。 彼女を見ると、きれいな黒い髪がスカートと共になびいている。 ...やっぱり、この気持ちは嘘じゃないなぁ、と思ってしまう。 小学生のとき、クラスのかっこいい男子に感じたものと、同じ感情。 こんな暑いのに変に考えてしまう頭を振って、話かける。 「なぁ、あさひ」 「んー?」 「また来年も食べよ」 青空を背景に太陽に照らされている彼女が、アイスを一舐めしてからうなずいて笑った。 私の大好きな、大きな口を開ける笑い方で。 それを見て、思わず言ってしまった。 「_ _ _ _。」 今日は憎たらしいほど暑く、そして快晴だ。