彼氏屋さん
「彼氏屋さん…こんな店、あったっけ?」私、天野みくは見覚えのない店の前で足を止めた。彼氏でも売ってるのかな?私最近胸キュン足りてないし…覗いてみよっかな。 カランコロン。「いらっしゃいませ、お嬢様」おっお嬢様!?それにしても綺麗な人だな。「ご注文はお決まりでしょうか?」ご注文…飲食店? 「い、いや…」「メニュー表です」私は店員さんにメニュー表を渡された。 『彼氏 加糖』『彼氏 無糖』『彼氏 クリーム多め』『彼氏 苦め』『彼氏 甘め』彼氏…何か興味深いな。甘いの飲みたい気分だし…かといって甘すぎるのは嫌だし…「彼氏 加糖を1つお願いします」「かしこまりました。彼氏 加糖ですね。代金は1000円になります」高っ!ス○バ並みだ…私はしぶしぶ1000円札をだす。「ありがとうございます!受け取り口でお受け取りください」え、もうできてるの? 『受け取り口』と書かれたドアから出てきたのは爽やかな笑顔が印象的な男の子だった。 …ん?理解が追い付かない。「こんにちは」と笑顔で挨拶してくる。「俺は加藤。」加藤?『加糖』ってそういうことだったの? ー。彼は加藤という名字だけを名乗った。どうやらあの店は彼氏を買える店らしい。 加藤くんはさすが『加糖』なだけある程よい甘さの人だった。まさにタイプ。 私は加藤くんと楽しい時間を過ごした。 ………………………………………………………………私は奈緒。彼氏がいる。「彼氏屋」という店で「無糖」を頼んだら、塩気の強いミステリアスな男の子、「武藤くん」が出てきたのだ。私は武藤くんと充実した日々を過ごしている。 「加糖」と「無糖」は売り切れだけど、「クリーム多め」「苦め」「甘め」は残っているはず。素敵な恋がしたいそこのあなた。「彼氏屋」さんに立ち寄ってみては?