短編小説みんなの答え:5

そうだ、海に行こう

今まであまり、読んだことも投稿したこともない初心者ですので、どうぞお手柔らかに。 プツン、、、 私の中で、すり減らされた脆い糸が切れた 私は優等生だった。いや、優等生を演じていた、と言う方が的確だろう。 親にされるがまま、塾やら習い事やらをたくさんやらされた。それは全て親の見栄の為というのはわかっていたが、自分の弱い、駄目な所を人に知られると誰も私と関わってくれなくなるのが怖かった。だから、いつも笑顔でいたし、弱音も吐かなかった。 でももう限界だった。今は平日の朝。いつもなら電車に乗って通学している時間だ。まあ、今も電車に乗っていることまではいつもと変わりない。でも、私が今乗っている電車はいつもと逆方向なのだ。 気付いたら、逃げていた。 どこか遠くへ行ってしまいたい。そんな気持ちから体が反応したんだろう。 私は意外に冷静だった。どこに行こうか。そう考えていると、電車の広告に目が止まった。海の広告だった。 「そうだ、海に行こう。」 とりあえず、着いた。 ここがどこの海なのかもわからないが、当然調べる気もないので、少し歩いてみることにした。 するとそこには驚く光景があった。私とタメくらいの男の子がどこの学校かわからないが、制服姿で砂浜に座っていた。私と同じで人生嫌になっちゃったのかな、と親近感が湧いてしまい、話しかけてみることにした。 「ねぇ、何してるの。」 「別に。そっちこそ学校に行く時間だろ」 「なんか、疲れちゃってさ。逃げてきちゃった笑」 「そりゃ、奇遇だね。俺も自分の居場所がなくて現実逃避してるとこ」 私たちはそれから他愛もない話で盛り上がった。他愛もなさすぎて、会話の内容は当分思い出せそうにない。でも、私の心は明らかに軽くなっていた。 それで帰り際、勇気を出して言ってみた。 「LINE、交換しない…?」 なぜだか、とても緊張した。自分の心臓の音が彼に聞こえてないか本気で不安になったんだから笑。 それから15年くらい経った今、私に向かって微笑んでいるこの男があのときの男の子だ。

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