何度でも私は
「暑くね?」そんなふうに隣に居る咲良に聞く。「そうだね。暑すぎるよ」と咲良パタパタと手を動かしながら答える。コンビニでばったりあい、今こうして話している。「あ!猫だぁ!」と言いながら咲良は黒猫を抱き抱えた。「猫飼うつもりか?」と尋ねると「いやいや、私んち猫三匹いるからねー。流石に飼えないかも。一応聞くけど」と能天気に咲良は答える。咲良が撫でるとゴロゴロと鳴らし、俺が試しに撫でると途端に怒りだす。猫も人選してるのかと呆れていると、ちょうど横断歩道に着いた。赤信号を持っていると、咲良が「夏はやっぱり嫌いだなぁ」と言う。 「俺も嫌いだ。」と言うと咲良はニッと笑って「おんなじだー」と喋る。その時、黒猫が咲良の腕からスルッと逃げ出した。そしてそのまま黒猫は横断歩道に向かって走り出した。「あっ!」と叫んで反射的に咲良は飛び出す。そして走って黒猫を引っ掴むとそのままこっちに来ようとしていた。だが、トラックが走ってきていた。「やめっ…!」と叫んでも遅かった。もう既に咲良は助からない状態で、トラックは轢き逃げして行った。咲良はほんの少し喋れる程度だったようで最後に 「私彼方が好きだったよ。私馬鹿だね。飛び出しなんかして。ほんと馬鹿」と咲良は掠れた弱々しい声で喋った。「喋るな…やめてくれ……」咲良の姿や声や喋っている言葉全てに泣きそうになりながら喋る。それでも咲良は喋ろうとする。「彼方、バイバイ」と言おうとした瞬間、追い討ちかのようにさらに車に咲良は轢かれた。咲良は確実に逝った。俺は泣きながらスマホを掴んで警察に電話した 「はぁ……またダメだったよ」猫を撫でながら、少女はつぶやく。「また……彼女を救えなかった……」と少女はまたつぶやく。猫が一言、「次に行くよ」と言って猫と少女はどこかに消えて行ってしまった。