短編小説みんなの答え:4

大地震とともに揺れ動いた2つの真っ赤な何か

「えー、ここが加比の理より2:3になるので、xの長さは・・・」 あー、かっこいいなぁ。中学1年生の私、真琴は隣の席の優斗を見ていた。先生の退屈な数学の授業など聞かずに。 優斗の事は前から気になっていたが、優斗はみんなの人気者だから、半ば諦めていた。が、今日の朝の席替えで運良く隣の席になれて、うかれてるのだ。その時だった。 カタカタカタ・・・グラっ! 「キャ~」 「わー!」 あちこちから悲鳴が聞こえる。地震だ。かなり大きい。 「みんな、机の下に隠れて!」 先生が言う。怖かった。私は昔から地震に敏感で、小さな地震でもすごく怖がるような人間だった。 私は、机の下で小さく肩を震わせた。泣きそうになった。 すると、隣から聞き覚えのある声が飛んできた。 「・・・真琴?大丈夫か?」 「っ、ん」 「待ってろ、今行くから」 優斗がこっちに来る!ドキドキと恐怖で心臓が飛び跳ねそうだった。 そして優斗は、私の机に入り込んで、 「大丈夫だ。俺がついてるから。ずっとそばにいてあげるからな。この地震が終わっても」 と言った。 「えっ、それって・・・」 私を抱きしめる力が強くなる。地震はまだ続いている。 「優斗」 「ん?」 「私、ずっと前から優斗が好きだった。だから、今、こうしていられることが嬉しい」 「俺もだよ。地震も、悪くないな」 「ねえ、・・・付き、合ってくれない?」 地震がピタリと止まる。言った瞬間、後悔した。絶対フラれるに決まってる。だが・・・ 「・・・いいよ。ありがと」 そんな声が返ってきた。私は、泣いた。優斗も泣いていた。みんなに視線をあびながら、ずっと泣いていた。すごく不思議な1日だった。

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