もしも、この夢が叶う世界なら。
私は、取り憑(つ)いた人間に恋をした。 彼の名はれい。 さりげなく優しくて、 そっとそばにいてくれるような、 そんな人間。 私は幽霊だけど、 そんなれいが好き。 でも私はれいが別の子に 恋をしてるのも知ってた。 __いいなぁ、人間は。れいくんに触(さわ)れて。 私の夢はれいくんの お嫁さんになること。 きっとこの夢が叶う日は来ないけど、 ただ、夢を見ていたいだけ。 れいくんは友達の お家で遊んだ後、 お寺へ向かった。 れいくんがそこにいたお坊さんに、 何かを話しかけた。 するとお坊さんは釘と お札を持ってきて、 釘を私に突き刺した。 痛い。苦しい。 私、消えるんだ。 だけど、れいくんのことを恨(うら)んでる 訳じゃないよ。大好きだよ、れいくん。 __私が勝手に夢を見ただけだから。 来世…もしも、ちゃんとした、 普通の人間に生まれ変われたら。 私は絶対、れいくんに 「大好きだよ」 って伝える。 その時まで、 死んじゃダメだよ、れいくん。 どうか、幸せになってね。