短編小説みんなの答え:5

麻痺した少女は

小さい頃から、医者になりなさいと言われて育ってきた。 だから、将来自分は医者になるんだと信じて疑わなかった。 親は、私のために進路も細かく決めてくれて、ただ毎日親に課せられた問題を解くだけでよかったから、他の友達より楽だった。 それに、誘惑を全て断ち切ってくれた。 スマホは親と連絡することしかできないし、テレビは親の許可がないとつけられないし、漫画もないし、ゲームももちろんない。 唯一の娯楽とすれば、小説くらいだろう。 親は、優しい時もあれば、厳しい時もあった。 私がプリントを解ききれないと、お母さんは私をキツくしかった。 私が勉強の手を止めると、お父さんは私の手を引っ叩いた。 私がテストで低い点数を取ると、勉強の量が倍になった。 小さい頃は、ひどいと思っていたけれど、今はわかる。 これは、私のためなんだ、と。 実際、そのおかげで最近はテストでほぼ毎回学年一位をとっている。 だから、親には感謝してもしきれない。 お母さんは、言っていた。休憩するとダメになる、と。 お父さんは、言っていた。一度止まると、再び動くのに時間がかかる、と。 だから私は、決して止まらない。 休憩しないで、そのまま突っ走ってゴールに行く。 そう、決意したけど、最近将来のことを考えてしまう。 夜、眠る時いつも考えてしまう。 お医者さんになったあとは、どうすればいいの? お医者さんはどういう生活リズムをしているのか全く知らないけれど、なんだか忙しそう、ということだけはわかる。 やっぱり、休日も働くのかな。 だとしたら、大変だな。 毎日毎日、一回も休まずに勉強しても、次はまた、大変な仕事が待っている。 それって、楽しいのかな。 ……いや、だめだ。こんなこと考えている暇なんてない。 はやく、次の問題を解かないと。

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