茜色の恋
「莉華、好きな人できないのー?」 大親友・エリに聞かれる。 私の名前は篠原莉華(しのはらりか)。 初恋もまだ。彼氏いない歴=年齢の中学3年生だ。 受験生のわたしは、恋愛なんかしている暇もない。 志望校は私立校だが、そこまで難しくもない。 地元の私立校で、高卒になる人もいれば、いい大学に行く人も、専門の大学や、そこまで難しくない大学に行く人もいる。 ごく普通の高校だ。 しかし私はその学校の判定がDなのである。 一歩間違えれば落ちる。 猛勉強して、この前なんとかCに近くなった。 エリも同じ高校を志望していて、A判定だ。 余裕なわけである。エリには彼氏がいる。 「葵もこの前彼氏できたんだって言ってたよー?」 「私は私!葵は葵!エリはエリ!なの!!!!!」 大声が教室に響く。放課後なので誰もいないが。 こんな成績の私だが、塾には行かない。 いや、行けない。私は小学1年の頃から8年間、ピアノ教室に通っている。 そのピアノ教室を優先したいがために、塾には行かない。 「まー日誌書き終わったら玄関きてー待ってるね」 エリは出ていってしまった。 「もー…」 日誌を書き終えた莉華は、帰りにエリとファーストフード店によることを決めた、ときだった。 ドンッ 「あー、すみません(早く帰りたいのに…って)」 この人かっこよ! ドタイプだったのである! 「ごめん!怪我とかしてない?」 「は、は、はい!」 茜色の空に照らされて、莉華の初恋が始まったのだった。