儚い恋愛
「ねぇ、壮士くんとうとう藍花と付き合い始めたんだって!」 (えっ...。) 私は衝撃を受けた。 私は鈴音。私は数ヶ月前から片思い中である。 その片思いしている子は壮士。 壮士は頭が良くて、クラスのリーダー的存在で、優しくて。 人気者で、男子女子関係なく誰とでも仲良しだ。 そんな壮士には好きな人がいる...というのはだいぶ前から知っていた。 壮士が小学生の頃、望美という子に告白したが、ふられた。 しかし中学生になってからまた好きな人ができた...という噂が流れた。 そう、その好きな人は藍花だ。 藍花は私の親友で、明るくて美人でクラスのアイドル的存在だ。 男子にモテモテだから、藍花が好きなのは納得だ。 壮士のことは好きだが、別に告白するつもりなんてなかった。 ...勇気がないから、ふられたらすごい気まずくなるから。 だから友達という関係だけで、恋愛は諦めた。 藍花のことを恨むかって? 恨む訳無いでしょ、親友なのに。 いや、親友じゃなくても、誰でも恨んだりしない。 だって、好きな人の幸せが、自分にとっての一番の幸せだから。 そう自分に言い聞かせながら、私は一粒の涙を零した。