青く染まる
「うっわ…あの子何?髪染めてるじゃん」 「青のメッシュか…不良かな?ギャル?」 (…入学式早々、うるさいな) あたしは寒田葵春(かんだきはる)。 みんな信じてくれない。この髪の毛は地毛だ。 何でかはわかんない。ストレスかなんかかな? 染めるわけないじゃん。染める金ないし。 中学校に入学しても、周りからの目線は変わらない。 …と、思っていた… 「ねえキミ、髪に青が混ざってるね」 隣の席の男の子。寝癖がビョンビョンにはねている。 「…なんか悪いかよ」 「ううん、綺麗だなぁって。真っ黒に青が入ってると、かっこいいね」 (…“綺麗”…?) 初めて言われた。親からもこの髪のせいで嫌われているのに。 「僕なんて、寝癖すごすぎて綺麗どころじゃないよ」 「…へぇ…?」 「あ、僕は二暖霈(にだんひさめ)。よろしくね」 少し心が柔らかくなったような気がした。 あたしの春が、青く染まり出す。