いっぱい食べてね天使さん。【恋愛小説】
「これも、食べてください」 「うわぁ!いいの?ありがとう」 そう言って、俺はコンビニで買ったチョコパンを差し出す。 目の前で幸せそうにチョコパンを頬張るのは、兄が営む洋食店の常連客である今野舞奈(コンノ マイナ)さんだ。 俺より二つ年上、体系は多少ぽっちゃりとしているが……笑顔が可愛くて、一緒に居ると相手を“癒しオーラ”でまるごと包み込んでしまう、とにかく凄い女性。 そして俺は柄本大(えもとだい)。 普段は大工として働いて、得た給料で買った食べ物をこうして舞奈さんに分け与えている。 …言ってしまえば片思い、というヤツだ。 「大くんも、一緒に何か食べようよ!」 舞奈さんはそう言って、おにぎりを差し出してくる。 折角舞奈さんのために買ってきたのに、俺が食べてしまうのは勿体ない。 「俺は、舞奈さんの見てるだけで十分なんで」 「えぇ、ほんとうに?」 そう言って残念そうな目でこっちを見つめてくる。 気にしないで、と首を振って伝える。 (舞奈さんの食べてる姿をみたいだけだし) 申し訳なさそうな笑顔を浮かべて、舞奈さんはまた食べるのに専念した。 __桃色の小さい口が幸せそうに食べ物に噛みついていく。 瞳はキラキラ輝いていて、ぷくっと膨らむ頬はリスみたいだ。 何かを食べているときの舞奈さんが世界で一番可愛い。 自分は勝手に天使だと思っている。 (だってほら、この可愛さは天使の羽が生えてても何らおかしくないはずだ) 可愛い。 可愛い。 超可愛い。 この笑顔を、俺は一生守っていきたい。 そのためだったら何だってすると本気で思っている。 「……まさに、人びとを癒す尊き究極の天使」 __あまりの可愛さに、脳内が口から無意識にこぼれ落ちていしまう程に。 「え?」 あ、しまった。 そう思った時にはもう全て呟き終わっていて。 あ~終わった!、絶望を告げるコングが俺の脳内で鳴り響く。 「天使って?」 「いや、その…」 「あ、あのわんちゃんのこと!?わ~確かに天使だね」 舞奈さんが見てる方に目線を向けると、真っ白なトイプードルが、飼い主とお散歩していた。 「そ、そうっすよね!天使だわ~」 全く気付いてなかったけどよかった、助かった。 俺は胸をなでおろして、再度天使の方に目線を向け始めた。
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癒されましたありがとう! 文才スゴイね!