当たり前がいつか当たり前じゃなくなる前に
本当は帰りたくなかった。 でも、帰らなきゃいけない場所だから。 「お帰り!」 優しいお母さんの声。 「おぉ、帰ってきたのか」 無口だけどほんとはすごく家族思いのお父さんの声。 「お姉ちゃん、バトミントンしよう!」 無邪気で可愛い弟の声。 全部全部当たり前で、幸せなんだ。 勝手に涙が出てくる。 散らかったままの部屋。 あぁ、もういないんだ。 私に幸せをくれた人たちは。 私の家族は、私の大切な人は、5年前事故で亡くなったんだ。 だから帰りたくなかったんだ。 かけがえのない「お帰り」を当たり前に言ってくれる人。 もっと大切にすればよかった。 今、当たり前の幸せを分け与えてくれる人が身近にいるのならば、その人を本当に大切にしてほしい。 当たり前が、いつか当たり前じゃなくなる前に。