逃げる事は悪い事じゃない
逃げる事は悪い事じゃない。 今までそんな事考えた事なかった。いや、考えられなかったんだ。 「桜はすごいわねぇ、また100点。学年で一位なんて。杏も頑張ってね」 またお母さんがそんなことを言った。 わたしの姉、二宮桜は勉強も、運動もできて、性格が良くて、努力ができる。 一方わたしは、勉強はそこそこ、運動は全然ダメ、努力もできない。 92点のテスト用紙。頑張った。自分なりに。でもダメだった。 「杏に足りないのは努力よねぇ」 わかってる。わかってるよ。 桜と比べられる屈辱。出来ない自分に対する絶望。 気づいたら家を飛び出していた。 「なに?中学生が夜中に家出?」 行き着いた公園で高校生ぐらいの女の人が話しかけてきた。 「なにがあったか知らないけど親御さん心配してるんじゃない?」 わたしはずっと黙っていた。 確かに心配されてるかもしれない。 でも今はそんなことをどうでも良かった。 「どうせわたしは出来損ないなんだよ」 わたしが口を開く。 「なにがあったか教えてくれる?」 そう言ってきたのでわたしは全てを話した。 「そっか、辛かったね」 お姉さんが言った。 「努力できないのは、めんどくさいからじゃない。現実と向き合うのが怖いんだよ」 みんなみんな努力できない人なんてめんどくさがりだとか言うけれど違う。 なにもわかってないじゃない。なにも…わかってないくせに… 「逃げる事ってさなんとなく悪いイメージを持たれがちだけど全然悪いことじゃないじゃんね」 「逃げることも自分を守るための武器だからさ、自分を守ろうとしてるあなたは偉いよ」 温かい。こんなに温かい言葉をかけてくれるなんて。 最後にわたしの頭をポンポンと撫で、そのお姉さんは消えていった。 あのお姉さんの事はなにも知らなかったけど多分きっと辛い思いをしていたからこそ言えた言葉なのだろう。 そして、今日もカウンセリングに来てくれた子に言った。 「逃げる事は悪い事じゃないよ」 こんにちは!みんみんです。初投稿でしたがいかがだったでしょうか! このお話はわたしの気持ちを表した小説です。わたしにも姉がいて、まさに杏と同じ状況。 こんなお姉さんがいたらいいのになぁ。 今、頑張ってる皆さんに向けて。 「逃げる事は悪い事じゃないからね」