ねぇ、聞こえた?
私の名は、桜。生まれつき,耳が悪い。 治る病気らしいが、まだ聞こえない。 看病してくれる颯太。私はその、颯太の声すら聞いたことがないのだ。 颯太は手話で伝える。 「だいじょうぶ?ゆっくりやすんでね」 ベッドには、涙が垂れてにじむ。 私は颯太が大好きだった。 (颯太待って、置いていかないで。ひとりにしないで。) 私に気づいた颯太はストンと椅子に再び座る。 颯太はあたたかい声で言った。 「ずっとここにいるよ。」 私はくしゃくしゃの笑顔でこう返した。 「うん。ありがとう。」 颯太は驚いた顔で言った。 「え?もしかして、聞こえたの?」 「うそ…やったあ颯太。私、聞こえたよお」 颯太が満面の笑みで 「ずっと桜に言いたかった。僕、桜が好き。かわいい声も大好きだよ。」 と言った。 私は嬉しくなってこう返した。 「わたしもっ颯太の透き通った綺麗な声きけてよかった。大好きだよ。」