好きも言えない関係
私には、とある幼なじみがいる。 丸坊主に似合わない分厚いレンズのメガネをかけた幼なじみ。家も隣で、小さな頃から家族ぐるみの付き合いだった。いつも勤勉で、みんな外で遊んでいる時も本ばかり読んでいたから、みんなからは「石頭の石田」なんてあだ名で呼ばれていた。ぽんとできていたペンだこが目印。でも、私にだけは生意気で。軽口を叩きあっていたあの頃を懐かしく思う。 そんな石田にも、ついに赤紙が届いたわけで。数ヶ月前、笑顔で遠い所へ行ってしまった。 行ってしまったと思えば、今日帰ってきた。まだ戦争は終わっていない。これが何を意味するのか。 「敬子、ただいま。三日間休みをもらったんだ」 「へえ。肇、なんか大人っぽくなったね」 「敬子は変わらないなあ」 なんてたわいのない話をするけれど、陸軍の制服に身を包む石田の雰囲気は以前と全く違かった。やけに落ち着いていて、……どうしてか悲しくなった。三日間の休み。そんなのなんの理由もなく取れるわけがない。 「じゃあ、休みの間は家にいるつもりだから、遊びに来いよ」 「……うん」 ぼけっとする私を置いて、石田はずんずん歩いていく。角を曲がったあたりで背中は見えなくなった。どこかで聞いていたのか、家から出てきたばかりの母が口を開いた。 「もう畑仕事はいいから、肇くんのところに行ってあげなさいよ」 「うーん、三日はいるんでしょう。あと少しで終わるから」 でも、と言い淀む母を遮るように今までの仕事を再開した。石田の笑顔が頭から離れない。 三日間、私は石田の家を訪ねることなく過ぎていった。なにか騒がしいと思って家に戻る道を歩くと、石田の家の前に人だかりができていた。ああ、もう、分かりきってる事だった。 「あっ、敬子! はよしないと、肇くん!」 焦ったように言う母。急いで坂道を登ると、石田が小走りで向かってきた。軽くあげた右手は酷く節張っていて、ペンだこは見られない。石田は相変わらず笑顔だ。 「敬子、すまんなあ。……誰か、いい人と幸せになれよ」 「え、肇、私は――」 「田中のばあちゃんもじいちゃんも、良くしてくれてありがとうございました。自分はもう征きますけれど、どうか達者で」 びし、と敬礼する石田。こちらを振り向いて、顔をくしゃくしゃにして笑ってから、耳元で囁く。 「本当は、敬子を嫁にもらいたかった」
みんなの答え
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戦争の辛さを痛感した、、、、
こんちゃ☆こーぽーだよ☆ 戦争って悲しみと辛さの塊のような、もの。 この話みたいに、色々な涙を色々な人が流して、、、、、、 えーーーん、、、こーぽーも悲しいよ、、、 平和が永遠に続きますように。
す,すごい
すごく上手いですね!切なくて泣きそうになりました。感動!!