決められている。
私の人生は、あの子に決められている。 私が好きになる相手、親友、将来の夢、好きな食べ物、好きな色。 全て決められている。 好きでもない相手に告白され、告白してしまう。 そして、好きでもない相手と付き合って、いずれは結婚。などという人生を送らされるんだろう。 でも私は、あの子が好き。 だって、止まっていた私の時を動かしてくれるから。 だって、ピンチの時助けてくれるから。 この恋は、むくわれないってわかってる。 でもこの気持ちは止まらない。 あきらめない。 たとえあの子が、この小説の作者でも。 【解説】 一見、なぜか人生を決められている少女の話…のように思えるわよね。 あら?そうだとしたら、おかしくない? だって、「止まっていた私の時を動かしてくれる」のよ? 疑問に思ったけれど、最後の言葉でわかるはずよ。 「たとえあの子が、この小説の作者でも」って言葉でね。 そう。 この少女は、「あの子」の作った小説の主人公なのよ。 そう考えれば、つずつまが合うわよね? 「あの子」は、主人公の少女の人生を決めているわよね? そして、「あの子」は、進んでいない原稿を書く。 それは、少女にとっては、自分の時を動かしてくれているようなものよね。 ピンチの時に、物語を書いて、救ったりしてくれる「あの子」に、少女は恋に落ちたの。 でも、少女はわかっているわ。 この恋は、絶対にむくわれない。 だって「あの子」は、私が主人公の小説の作者だから。 でも、あきらめない。 この世に絶対などという言葉はないから。 …そう。この少女はあきらめていないの。 たとえ、次元が違ってもね。