短編小説みんなの答え:4

避難訓練で始まった、1つの小さな恋

休み時間、私が教室で友達と話していた時――。 『地震です、地震です、机の下にもぐりなさい。校庭にいる児童は、校庭の中央に集まりなさい』 緊急地震速報だ。 教頭先生が、放送をしている。 私たちは慌てて机の下にもぐった。 私は海羽(みう)、小学6年生。 机の下にもぐってしばらくたっても、教室は揺れない。 すると教頭先生の放送がまた聞こえた。 『訓練、訓練。地震が発生しました・・・・・・・』 あ、と声を小さく出す。 これは本当に地震が起こるのではなく、避難訓練なのか。 てっきり本当の地震だと勘違いしていた私は、拍子抜けする。 そしてしばらくたつと、また教頭先生が放送をした。 『訓練、訓練。揺れはおさまりましたが理科室が火災。校内にいる児童は先生の指示に従い、校庭に避難してください』 どうやら今回は、防災訓練のようだ。 地震の後に、火災。 私たちは防災頭巾をかぶり、口元にハンカチを当てて、 先生の後について校庭に避難した。 校庭には他の学年がたくさん集まっていた。 そのせいで、私は5年生の男子にぶつかってしまった。 「あ、ごめんなさい!」 男の子は私の目を見て謝った。 私は、「大丈夫!」と言ったが、心の中ではこう思う。 (かっこいいなぁ・・・・・) あまり年下に好意を寄せない自分が、5年生の男の子を好きになることが 自分でも驚いた。 名前をお互い聞きあい、別れた。 そしてその後、たびたび会うようになった。 彼は私が年上なのにも関わらず、同い年のように接してくれた。 私は、避難訓練で、彼を好きになった。

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