頭の上の数字
私はある特殊能力を持っている。 私の名前は藤田鈴(ふじたすず)。 高校一年生。 私が特殊能力を持っていると気付いたのは小学校一年生の頃だった。おばあちゃんの家に遊びに行った時のこと。おばあちゃんの頭の上にポンと3の文字が浮かんだ。 「おばあちゃん!頭の上に3ついてるよ」 「どうしたの?すずちゃん。ばあばの頭の上何もついてないよ?」 なんだろうなと思っていたが気にはしなかった。それから約3年後おばあちゃんは亡くなった。そう。私の持ってる特殊能力それは他人の余命がわかること。それは中学生になるころ、死因まで見えるようになった。 私の場合全ての人の余命がわかるわけではない。ある程度親しくならないと分からない仕組みだ。だから初対面では気づかない。 特殊能力はもう私にとっては日常に近い。でも、さすが人生100年時代。目に見える数字は80とか70ばかり。50を下回った数字を見ることはない。 死因も寿命がほとんどだ。 「おっはよー!すず!」相変わらず元気だなぁ。この子は高校になってできた友達、小林優香(こばやしゆうか)彼女の頭には90の文字。死因 寿命 と書いている。さすが優香。きっと死ぬまでこのテンションなんだろうなと思う。「なに?また、あの子気になってんの?もう告っちゃいなよ!!」「無理だよーそんな勇気ないし。」あの子というのは中野翔(なかのしょう)のことだ。私は翔が気になっている。完全に片思い。分かっているけど。彼の頭の上にはまだ何もない。多分まだ少ししか話したことがないから。 キーンコーン チャイムがなる。私達は席につく。 頭に60の文字をつけた新人の担任の先生が入る。死因はまだハテナだ。きっとあまり親しくないからだろうな。 「よーし席替えするぞー」と担任が言うクラスからは歓声の声が上がる。 くじを引いて番号が書いてある席に行くと隣はなんと翔くんだった。うっそ。マジで嬉しい!!! 「すずなちゃんだったよね?宜しく」と翔くんが言う。 やばいカッコ良すぎる! それから毎日のように翔と話した。本当に素敵な時間。いつしか気になるから好きに変わり、どんどん親しくなっていった。 ある朝のことだった。見たくなかった文字が彼の頭に浮かぶ。0.8 。ん?何かの誤作動か?と思う。だって今まで整数でない数字を見たことがなかったから。いや間違いなく0.8だ。つまり余命は8ヶ月。 横にはいつものように死因がうつる。 自殺。嘘でしょ。クラスからも人気者の翔くん。今から8ヶ月後翔くんは自殺で死ぬ。 それから3ヶ月後翔くんは突然周りからいじめられるようになった。だれも翔くんと話さない。翔くんと話すのは私ただ一人。 翔くんは次第に学校に来なくなった。誰も心配しなかった。でも、私は毎日翔くんの家に行く。そして、話を聞く。 辛い。学校に行けない。いなくなりたい。毎日そんな話を聞く。 その度に私は大丈夫だよ。生きててくれて嬉しいよ。ありがとう。という。 肌寒くなってきたある日のこと。 翔くんの頭の上の文字は24になっていた。でも、その文字は赤い。そうこれは残りの時間。つまり残り24時間で翔くんは死ぬ。次の日願うように翔くんの家に行った。インターホンでいつものように翔くんのお母さんが出る。「すずちゃん今日もありがとう。でも、今翔におつかい行ってもらってるの。もう少しで帰ってくると思うから。」嫌な予感がした。まさか、まさか。 私は走った。近くで一番高い建物へ。 この付近で一番綺麗な夕陽が見られると有名な展望台へ行く。そこは陰で自殺の名所とも呼ばれていると聞いたことがある。 はぁはぁついた。夕日が沈んできている。 屋上への扉を開けるとそこに翔くんがいた。 「すず。どうしてここが」 「やめて。翔くん。まだ私のそばにいて。」 「俺は誰からも必要とされていない。だからもう、、ダメなんだよ。」 「翔くん!」と私は翔くんの手を引く。 「大丈夫だよ翔くん。私には翔くんが必要なの。だから一緒に帰ろう?」 気がつくと私は泣いていた。彼も泣いていた。彼の心に私の想いは届いただろうか。 頭の上の彼の数字は0を指していた。 それから10年の月日が経った。あれから、私と翔は付き合った。そして結婚した。 今日は結婚式。それでは誓いの言葉です! どうぞ!司会の人が私たちに言う。 「すず。幸せにします。」 「私も翔を幸せにします」 あれ以来頭の上に文字は見えなくなった。 この特殊能力は翔を助けるためにあったものなのかもしれない。
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とてもよかったけど最後が、、、
とても面白い小説でした! でも改善点が二つあるかな、、、 ①人気者がたった3ヶ月でいじめられるのは少し不自然、、、 ②いきなり結婚の話になるのは話の展開が変わりすぎてる気がする、、、 でも全体的にとてもよかったです!
すごい!
こんにちは!ぼかろすきーです! すごい!面白かったです! キズなんの短編小説の中で1番好きかもしれないです! 鈴と翔、幸せになれるといいな!
感動・・・( ; ; )
Hello♪ 沙優です! もうすぐ冬休みが終わってしまう・・・。あっという間だったなぁ( ; ; ) * ほ ん だ い * すごくいい話で感動しました!! 場面の切り替えも上手くて、何より人の余命が見える主人公という発想がすごいです! 最後に、年下から言うのも何ですが、本当に本当に強いていうなら・・・ ・0.8が浮かんでいる →11ヶ月の場合、1.1になってしまい、11ヶ月が1年よりも長いことに・・・! →12ヶ月を1と考えて、8ヶ月だと割り切れないので、割り切れる数にする こうするともっと良いと思います!その場合分かりにくいと思うので、 例)6ヶ月 『・・・・・・(前略)いや間違いなく0.5だ。1年の半分──つまり余命は6ヶ月。』 という表現にするともっと良くなると思います!
わぁ、すごい…!!
すごく展開が面白いです! 余命が見える能力があったからこそ、翔くんを助けることができたんですね…! 10年後、すずちゃんが「翔くん」って呼んでいたのを「翔」って呼んでいるのがちゃんと月日が経ってるのが分かっていいですね! 私もこんな感動的な短編小説が書けるようになりたいです!
臨場感があって素敵!
こんにくきゅーです!肉球グミです! 感動したし、翔くん死なないで!と感情移入ができる 作品でした!面白かったです。 もうちょっと結末を急ぎすぎないようにしたら いいんじゃないんでしょうか!