君の笑顔のような輝く春の空
「今年も桜、見れるかなぁ」 私、木原美桜(みお)は妹の梨桜(りお)と窓の外を眺めていた。 梨桜は体が弱くて、入院している。 「今年は満開の桜が咲くよ!きっとね」 私は優しく声をかける。 「楽しみだなぁ、桜。早く見たい!」 元気な梨桜の笑顔に安心しつつ「楽しみだねぇ」と相槌をうつ。 「そろそろ帰ろっか、美桜。明日学校だもの」 隣にいたお母さんが私に声をかける。 「うん、また明日来るからね」 そう声をかける。 「絶対来てね!」 と、手を振る梨桜。 さ、明日も頑張りますか。 3月の中旬、そろそろ桜が咲き始める季節。 でもまだ、満開ではなかった。 梨桜の調子が悪くなったのはその頃からだ。 ある日、いつも通り学校で授業を受けていると先生に声をかけられた。 「妹の梨桜さんが…」 その言葉で全てを察した。 学校を早退して、頭が真っ白になりながら病院へと向かう。 「梨桜は…梨桜は!?」 そこにはやつれた梨桜の姿。 「…大好き…だよ、お姉…ちゃん」 涙と笑顔を浮かべた梨桜。 その言葉を最後に梨桜は静かに息を引き取った。 「私も…大好きだよ…っ!」 届くはずないその言葉は私の足元へと落ちていった。 梨桜と一緒に眺めた窓に目を向けると桜が例年より1週間も早く満開になっていた。 あの桜はきっと梨桜が一生懸命生きた証なのだろう。 「満開の桜、見れたね…」 春の輝く空に向かってそう言った。 たくさんの人を喜ばせた梨桜の笑顔のような青空に。