輝くは白の皇女
ここは惑星ロンガ・ウィータ。 不老長寿のウィータ星人が暮らす白く輝く美しい星。 私はこの惑星唯一の皇女として生まれ、ついに明日200歳になりようやく一人前として認められるのだ。 「イヴァナ」 声をかけられ振り返ると、そこには大好きな兄がいた。彼は二番目の兄で、頭が良く将来は兄の補佐をすると意気込んでいた。 「家庭教師が探していたよ、どうしたんだい」 「今日はシルワで過ごしたくなったのです」 「木漏れ日が心地いいからな…ここは」 私達ウィータ星人は、皆白銀の髪に金色の瞳を持って生まれる。 そして成長するにつれ、髪や瞳の色が変化していくのだ。 容姿が落ち着くのが130歳頃。 しかし私の容姿は生まれた時のままだった。 皇族だとしても容姿は変化するにもかかわらず、私は一切そのそぶりがないのだ。 「ジア兄様、私は一生このままなのでしょうか」 「……前例が無いからね、なんとも言えないよ」 周りの友人が100歳頃には容姿に変化が現れていた。私は150歳を迎えても変化は無かった。民からは災いの前触れではないかと恐れられ、宮殿のものも呪いではないかと近寄ることを躊躇した。 「羨ましいのです、変わっていくものが」 「ただでさえ不老だというのに……生まれてから変わるはずの容姿に変化は無い」 「周りは髪色も瞳も己を表して眩しくて…私は皇女なのに…お手本にならなければいけないのに」 いつか父のような美しい黒髪になれるかもしれない。 いつか母のような美しい緑の瞳を持てるかもしれない。 そう考えては期待を裏切られつづけた。 赤子のような容姿のまま成長していく自分を心から好きになれたことなど一度もない。 こんな恥ずかしい姿を好きになれるわけがないのだ。 「イヴァナはそのままで美しいよ」 「貴女には貴女だけの輝きがあるのですよ」 「どんな姿でもイヴァナという君が大切なのだ」 「大丈夫、イヴァナは綺麗だよ」 家族はそう言ってくれるが、私の心は既に疑うことを覚えてしまっていた。 「私は醜いのです」 「輝きなどありえません」 「この姿だけは嫌なのです」 「お願いですから偽りを口にしないで」 誰の言葉も信じられなくなった。 周りの気遣いも同情も嫌で仕方なかった。 180歳を迎えた頃、私は期待するのをやめた。 それでも毎朝鏡を見てしまう。 変わることの無いその白を別の色が染め上げてくれはしないかと……願ってしまっているのだ。 私の妹はとても聡明で愛らしい子だ。 何よりこの惑星の民を慈しんでいる。民からも臣下からも勿論私たち家族からも愛されている彼女は、皇女になるべく生まれた子と言っても過言ではなかった。 しかし本人はそれに気付かない、いや……気付こうとしない。 原因は恐らく…その容姿にあるのだろう。 幼い頃から変わらぬ容姿、成長が遅れているという訳でもなく原因は不明。 普段は悟られぬように明るく振舞っているが、皆が寝静まった夜に一人鏡の前で泣いている事を私は知っている。 「また授業を抜け出したのですか?」 書庫へ行こうと歩いていると、家庭教師が困ったように伝えてきた。 行き先なら心当たりはある。 城から少し歩いた場所に小さなシルワがあった。 木々が生い茂り鳥のさえずりが心地よい場所で、イヴァナのお気に入りの場所だ。 「やはりここに居たのか…」 シルワの中の少し開けて花が咲いている場所に白く儚い存在を見つけ、私は小さく息を吐いた。 どうにも表情に明るさがない……どうかしたのかと口を開いた瞬間、イヴァナが先に言葉を紡いだ。 「ジア兄様、私は一生このままなのでしょうか」 「羨ましいのです、変わっていくものが」 「私は皇女なのに…お手本にならなければいけないのに」 ああ……この子はなんて綺麗なのだろうか。 俯く妹の顔は、暖かい木漏れ日があるにもかかわらず暗い影で見えなくなっていた。 「イヴァナ、お前は私が何を言ってもその言葉を信じてはくれないだろう」 私は黙り込んだ妹の頭を撫でながらそう告げた。 「そんなことはっ……」 目を見開き否定しようとするが、その言葉は途中で空気に解けてしまう。 「なぜなら私はお前が欲しいものを簡単に手にしているからだ」 「イヴァナが欲しくても手に入らないものを持っている、だから例え父や母、兄や…他の誰に言われてもその言葉は届かないだろう」 「それでも私達がお前を美しいというのに偽りはない」 これだけは覚えておいて欲しいのだ。 例え信じてくれなくとも、心に届かなくとも。 記憶に残しておいてくれるだけで構わない。 その白がどれほどの輝きを放っているのか知る日まで、いつまででも伝え続けるから。 だからどうか沈まないでおくれ。 「その白はとても綺麗で可愛くてどんな色よりも輝いているということを」
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すごいです……!
始めまして。るり、と申します。 心情がよく分かるところに、説明がすんなり入ってくるところとか、 とってもそんけいします。 私もこんな物語が書きたいです。 では、また。 Viaさんに幸せがおとずれますように。
個性って、、美しい、、
こんちゃ☆こーぽーだよ☆ それがあなたの個性なんだからだいっじょうぶっ☆ 自分は、自分だけが違うって思わないで。 同じ人なんて絶対いない。あなたはあなた。 そんな人達をこーぽーは応援してます☆