短編小説みんなの答え:1

彼の顔が赤い理由。

「ひゅー」と、気の抜けるような音がして、「ドンッ」と大きな音がする。 その音を合図にするように、大きな花が、漆黒の空に咲く。そして、散る。その間0.1秒。 その0.1秒の間に、世界でキセキが起きている。 料理がうまくいったとか、ビールが美味いとか、そんな小さなことから、 交通事故で助かったとか、迷子が見つかったとかの、大きなことまで。 私にも、キセキは起きるかな…、と、ぼんやり思っていたその時、キセキは起きた。 「ドンッ」を合図に、惹きつけられるように、一人の男性に視線が向く。彼と目が合う。そらしたいのに、そらせない。 磁石のS極とN極のように。運命の相手を見つけたかのように。 彼の口が動く。周りが騒がしくて聞こえない。私は耳を澄ます。彼が一歩こちらに近づく。私も一歩、彼の方へ近づく。 今度ははっきりと聞こえた。 「好きだよ」 と。 そこで私は目が覚めた。上を向くと見覚えのある景色が広がっていて、隣にはあの、夢の中の彼がいた。 「私たちが出会ったのも、ここだったね」 隣で彼の頭が揺れる。 「私たちが出会えたのって、キセキだね」 そうだね、と、落ち着いていて、少し力強い声に安心する。 お互いの想いを確かめ合うように、どちらからともなく、指を絡める。 彼の顔が赤い理由、花火のせいじゃないといいな。 そんなことを思う私の顔も、相当赤いんだろう。もちろん、花火のせいではなくて。

みんなの答え

辛口の答え

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良き良き

青春的な恋愛ですごくいいと思いました。 0.1秒のキセキの例えがさらにリアル感を出していました。 例えが本当にうまいです。 好きです。 ろくに恋愛小説を読んでこなかったのですが、ちゃんとドキドキしました。 わくわく…かもしれませんが。 夢から覚める瞬間の表現をもう少しだけ書いてほしいとちょっとだけ思いました。 面白かったです。ありがとうございました。


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