別れ。
雲ひとつない青空。 憂鬱なくらい光る太陽。 そして、少し悲しそうな君。 君と僕がまた会える日は きっともう二度とやってこない。 僕は君が大好きだった。 いつも隣にあった笑顔が明日からはない。 悲しかった。 君と過ごした時間はとても楽しかった。 目が合う度、すれ違う度に、笑いあえた。 けれど、今日で最後。 別れというのはあっさりやってくるものだ。 君と僕が出会ったのは4月だった。 僕は君が今日引退するのは知っていた。 君が決めたからだ。 その時の僕は、1年という月日は長いものだと思っていた。 7月、君は大会に出た。 僕は出ることが出来なかった。 オーディションに落ちたからだ。 僕はサポーターとして君を見ていた。 君は僕が見た事ない景色を見せてくれた。 会場の臨場感と期待は、 今でも忘れられない。 10月、僕と君は文化祭に挑んだ。 僕は初めてのステージで緊張していた。 君はいつも僕が出来ないとこう言った。 「大丈夫、××ならできる!」 その言葉を聞くと絶対成功できた。 僕は、文化祭が終わった時、泣いた。 ようやく気づいた。 君と僕が過ごせる時間はあとわずかだって。 となりに居られるのもあと半年もないって。 そう考えると悲しくて涙が止まらなかった。 12月、クリスマス。 君は僕にクリスマスプレゼントをくれた。 手作りのキーホルダー。 イニシャルとイラストが入っていた。 君はこれを「おまもり」と言った。 何か怖いことがあったらこの「おまもり」を思い出しなって。 今でもカバンの中にはいつも「おまもり」が入っている。 2月、君の誕生日。 君の誕生日が近づいて来るにつれて、1月からプレゼントを考えた。 大切な人だから、より悩んだ。 君にプレゼントを渡した時、君は喜んだ。 喜んでくれて、とっても嬉しかった。 3月、君の引退が近づいてきた。 僕は度々現実逃避をした。 引退のコンサートは今までよりももっと練習を重ねた。 絶対失敗しないように。 君が、僕が後輩で良かったと思えるように。 そして、今日がやってきた。 僕は君が先輩で良かった。 本当に、楽しかった。 苦しい時も、悲しい時も助けてくれたのは君だった。今までありがとう。 これからは、僕が君に見せる番。 「今までありがとうございました。 これからは、僕を見ててください。」