短編小説『私の色彩』
春の匂いがする。鼻がむず痒くなるこの季節。 最後に“春”を見たのはいつ頃だろうか。 黒、白、黒、白。たまに灰。私は交通事故で色の区別が白黒でしかできなくなった。不便かと聞かれたら勿論不便だ。学校では省かれている。 「上山さん。少しいいかしら?」 担任の守谷颯花(もりや そうか)だ。この先生はよく私を気にかけてくれる。 「あのね、私は上山さんのことすごく心配なの。最近七瀬さん逹に省かれているでしょう?辛かったら相談してもいいのよ。」 守谷先生は私の目を見つめながら言った。今日は何色の服なのだろう。 「先生。」 私ははっきりとした口調で言った。 「私は困っていません。完全に不自由なわけではないんですよ。見えることは幸せです。危険があったら回避できます。見た目だって普通です。」 先生ははにかんだように笑って 「…人の気持ちは、わからないものだわ。上山さんがどう思ってるのかも聞かなきゃわからない。…あなたは幸せを見つけるのが得意なのね。教え子に教えられちゃったわ。」 と言い、ショートの髪を揺るがせた。 理不尽な世界でも。運が全ての世界でも。白黒の世界でも。 私は生きていけるんだ。だって私には色がある。 「上山 彩虹」 うえやま いろこ。 私は何色もの色を持っている。 終わり。 読んでくれてありがとう!いろはだけに色のお話ってね!(すべった) 感想くれたら嬉しいな!名前も覚えてほしいです。またね!